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2017-07-26

体づくりの新手法「ベースボールカーツ」の大きく広がる可能性②

パフォーマンスアップにつながる4つの効果

 加圧トレーニングの効果のうち、大きな4つの柱を紹介していく。

1.筋力アップ
 加圧によって適切に血流を制限することで低負荷の運動でも筋肉内には多くの乳酸が蓄積され、高負荷のトレーニングを行ったときと同様の状態をつくり出すことができる。その結果、「成長ホルモンの多分泌」が起こり、筋肉を合成する。高負荷のトレーニングで起こるような筋繊維の破壊が起こっていないため、高負荷トレーニングを継続する以上の効果を見込むことができる。また、トレーニング時のケガのリスクが低く、トレーニング後の回復が早いのも特徴に挙げられる。

2.時短
 一般のトレーニングでは筋力を高める一方で、それを継続的に発揮するための持久力の向上を図る必要がある。そのため、それぞれを主目的とするトレーニングを組み合わせて行う必要があるため、より時間が必要になる。しかし、加圧トレーニングではエネルギーと筋力の発揮が同時に向上することが実験でも確証済み。筋量の増加と筋持久力の向上の両者を同時に図ることができるトレーニングだ。上半身10分、下半身20分を上限に行うため、1セット30分。2セット行っても1時間強と練習時間が限られているチームでも大きな成果を期待できる。

3.柔軟性の向上
 加圧トレーニングを行うと毛細血管の活性化が起こる。つまり、血管が拡張し、血行が促進され、普段は使われていない細部の血管まで血流が巡るようになる。それによって関節の可動域が広がる。また、加圧トレーニング後にベルトを緩めて制限していた血流を元に戻した、より勢い良く血流が巡っているときは筋肉が弛緩している状態にある。そこでストレッチを行うことで大きな効果が期待できる。

4.疲労回復
 毛細血管は動脈からの酸素や栄養を体組織に与え、体組織から炭酸ガスや老廃物など疲労につながる物質を受け入れて静脈へ送る役割を果たしている。加圧することで普段は使っていない毛細血管まで血流を行き渡らせ、除圧によって血流量を増加させれば、体組織の疲労物質をより早く取り除くことが可能になる。加圧、除圧のくり返しにより、毛細血管の数が増えることも疲労回復に好結果をもたらす。血流が増えることで睡眠の質が高まることも疲労回復に結びつく要素の一つとなる。

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