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2017-07-20

[高校野球]球場の特徴から打撃を考える柳田悠岐(ソフトバンク)との共通点

長崎北・矢ヶ部和洋監督の戦略

 今季、三冠王に迫る勢いで爆発的な打棒を発揮しているソフトバンクの柳田悠岐。現在の23本塁打は、キャリアハイの2015年の34本塁打を上回るペース。ちなみにこの年はトリプルスリーを達成した。

 その年と比べても「打撃の状態は今年のほうが上」だと言う。要因はゴロを打つのではなく、フライを打ちにいくスタイルを確立しつつあること。開幕後はその試行錯誤の中で打率も本塁打も数字を伸ばせずにいたが、今季初の猛打賞となった5月13日の楽天戦(熊本)でボールをとらえるポイントをつかむと、その後、成績はうなぎ上りだ。7月19日の西武戦(北九州)を終えた時点で打率.326、23本塁打、75打点。すべてでリーグトップに立つ。

 本拠地・ヤフオクドームの人工芝の張り替えがスタイルを考えるきっかけとなった。従来のものと比べて衝撃吸収性が向上。打球が転がりにくく、「ゴロを打ったらヒットにできない」と感じたと言う。「15年も16年も打率3割は打ちましたけど、内野の間に飛んだラッキーヒットが多かったので」。スタイルを変えなければ、成績の低迷は必至。その危機感を成長につなげた。

 使用する球場によって打撃のスタイルを考えているのが本日、長崎大会準決勝進出を懸けて清峰との試合を行う長崎北の矢ヶ部和洋監督。長崎大会の会場の一つ、長崎県営野球場(ビッグN)は全面人工芝のグラウンドのため、「ゴロを打っても内野のミスは起こりにくいため、とにかく大きな打球を打てるスイングをするように言っています」と語っている。

 また、沖縄大会が行われるセルラースタジアムは夏のこの時期、センター方向からの強い風が吹く傾向にある。それを考慮して「低く強い打球を追求している」のが昨夏の代表校・嘉手納の大蔵宗元監督。対戦するのは投手だが、そこから視野を広げることも指導者として持ちたい視点の一つだ。

日ごろの練習では、内野のダイヤモンド大のスペースしか取れない長崎北はグラウンド脇の鳥カゴを実際のボールを打つ唯一のスペースとしている

長崎北・矢ヶ部監督のインタビューはベースボール・クリニック7月号に掲載。

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