

選手権大阪大会の3回戦までの組み合わせが決まった。春夏連覇を目指す大阪桐蔭は7月13日の大手前戦から勝負の夏をスタートさせる。
5年ぶり2度目のセンバツ王者に立った後、西谷浩一監督に話を聞く機会を得た。センバツで戦った5試合を振り返ってもらう中で、印象的だったのが西谷監督の細やかな心配りが選手の好プレーに影響していたこと。「体の割に細かいんですわ」とゆうに3ケタの体重がありそうな体型で豪快に笑う姿とのギャップが大きな人間力を感じさせ、それが選手を引きつけるのだと知った。
2回戦の静岡戦である。初回に6点ずつを取り合う展開。大阪桐蔭は2回と7回に1点ずつを失い、攻撃面では2回以降、静岡の左腕エース・池谷蒼大に3安打に抑えられ8回の攻撃を迎えたが、相手の失策も絡んで同点とし、一死一塁のケースを迎えていた。
ここで西谷監督は2回から救援していたエース・徳山壮磨に代打・西島一波を送る。その初球だった。一走の坂之下晴人が盗塁に成功。一死二塁となったところで、西谷監督は西島の下へ伝令を送った。

西谷監督が伝令に指名したのはムードメーカーだという山本ダンテ武蔵(右)
「盗塁成功の形になりましたが、サインはヒットエンドランだったんです。空振りで要は失敗ですから、西島は気にしているだろうと。だから『今のが最高の結果や! 大丈夫、怒ってないから、初球のことは意識から消せ』というニュアンスのことを伝えさせました。スタメンで出ている選手ならそこまでしなかったと思いますが、代打で出て突然ですから精神的な影響がありそうじゃないですか」
その後、パスボールで一死三塁となり、西島は右翼越えへの決勝の適時三塁打を放つ。「三塁に走者が進んで外野フライでもOKになったことで気楽に振れた結果でしょう」。そう西谷監督は笑った。

サインミスを挽回する決勝の適時打を放った西島
もちろん、その要素も大きいと思うが、行き来する流れの中で、西谷監督が手を尽くしたことは事実。その一手を疎かにしないことが大阪桐蔭が勝つ確率を高めている。
西谷監督が静岡との熱戦を振り返ったインタビューはベースボール・クリニック7月号に掲載。
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