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2017-06-24

変化球の軌道に対するバッテリーの共通理解を図る柴田高[仙台]の手法

コースに番号を振った投球イメージを持つことの利点

 宮城県の高校野球で仙台育英、東北など強豪私学に立ち向かおうとしのぎを削る公立校の一つに柴田がある。甲子園の出場歴はないものの、近いところでは13年夏、15年春仙台大会準優勝。ロッテなどで活躍した小坂誠や現在DeNAに所属する熊原健人がOBにいる。

 同校を率いる平塚誠監督が導入しているのが、コース別に番号を振って投手と捕手が共通イメージを持つ投球練習の手法。ホーム上に並べることができる6個のボールのうち、右打者内角を1として6まで番号を振る。ボールゾーンにあたる両サイドが0と7となる(下図)。

 主将で捕手の伊丹健人選手のコメント
「コース番号を振ることによって、ただ投げるのではなく、変化球を投げるときは『何番から何番に曲げてくる』とイメージが具体的になりました。それを投手と話すことでコントロールへの意識が高まっていると思いますし、キャッチャーとしては番号を頭に入れておくことで配球がしやすくなりました。『何番と何番のストレートを使って追い込んで、何番から何番に曲げる変化球で打ち取る』といった配球のイメージです。それを考慮してのブルペンでの投球練習ができることも大きいと思います。
 ピッチャーによって同じスライダーでも曲がりの幅が違うので、個性を把握することもできます。また、毎日同じ調子で投げられるわけではないので、日によって曲がり方が違うこともあります。たとえば普段は4から6に曲げられているスライダーが7、8まで流れてしまっているとすれば、その日は3からにズラしてみるというように、一つひとつ確認していくことができます。
 曲がりが大きくなることの原因の一つとして体の開きが早いことがありますが、それを指摘して修正するのではなく、的になる番号を中に入れることで体を自然とそちらに向かわせることも意識しています。フォームで指摘するより修正が早いこともあるので、試合前のブルペンではその効果を感じています」

 柴田の投手の練習法の詳細はベースボール・クリニック7月号に掲載。

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