明生(寄り切り)德勝龍5日目は今場所初めて3大関全員が勝利。ようやく貴景勝に初日が出た。相撲内容は相手を土俵外まで押しきれていないが、白星をいいきっかけにしてほしい。
全勝は変わらず大栄翔、明生、明瀬山の平幕3人で、5日目は明生の相撲を取り上げたい。所属する立浪部屋では昨年12月半ば過ぎに新型コロナウイルスのクラスターが発生。明生は感染しなかったものの、稽古が2週間行われなかった中での好成績は立派だ。
德勝龍と対戦した明生は、立ち合い当たってすぐに左四つ。德勝龍に右上手を取られたが、これをすぐに切って右前ミツを取り低い体勢。そのまま休むことなく前に出て快勝した。
「胸を合わせたくなくて、一瞬合いそうになったけど、すぐに廻しを切って対応できた。5連勝? いつもと変わらない気持ちで土俵に上がっています」と振り返った明生。
部屋では幕内天空海を含む11人が新型コロナウイルスに感染。明生と豊昇龍は陰性だったが、稽古ができない影響は大きく、豊昇龍は今場所まだ勝ち星がない。
「全体の稽古ができなくなって、やれることは限られていたんですけど、やれることだけをやりました。四股とかスリ足の基礎とかトレーニングです。部屋にトレーニングルームがあるので、全体的に鍛えました」と明生は基本を再確認。
現在は部屋から出て、部屋近くに住んでいるが、部屋のクラスター直後の1週間は自宅にこもっていたそうだ。「食事は自炊をしていました。天空海関とはメールで『どんな症状?』とか連絡を取っていた。みんな、悪化しないで戻ってきてくれて本当によかった」と話す。
今場所の番付は東の7枚目で上位とは当たらない位置だが、白星が続けば大関戦が組まれるかもしれない。「今年の目標は自己最高位(2枚目)を更新して、三役に上がることです」と目標に向かって、一日一番を集中して取っていく。
文=山口亜土
令和三年大相撲力士名鑑(「相撲」編集部/編)
相撲 1月号 初場所展望号(No.917)