大栄翔、関脇に返り咲き貴健斗、武将山が新十両昇進初場所の番付発表後に荒汐部屋で新型コロナの集団感染、横綱白鵬も感染した。直前のPCR検査でも2部屋から陽性者が出たため、荒汐部屋、宮城野部屋、九重部屋、友綱部屋の全力士が休場となった。
新型コロナによる休場者は幕内で6人、十両で9人。前回にならって番付は据え置きとなるだろう。15人の地位は確定しているだけに予想は簡単かと思ったら、これが意外と難しかった。
三役から見ていくと、先場所同様に関脇、小結が全員勝ち越しで空きがないが、13勝2敗で優勝した西筆頭の大栄翔は小結を超えて3人目の関脇となるだろう。昇進すれば2回目の関脇だ。平幕は3枚目から下がスカスカの状態で、10枚目ぐらいまでわずかな勝ち越しで大きく上がることになってしまった。3関脇となるため、据え置き力士は同じ地位だと人数的に半枚下がることになるが、これは仕方ないだろう。
幕内と十両の入れ替えは、幕内から落ちる成績の力士が佐田の海と天空海の2人だけ。十両から上がれる成績の力士は優勝した剣翔、英乃海、大奄美の3人。ここではギリギリ残る成績の德勝龍を落として大奄美を上げたが、大奄美が上がらず、德勝龍が残る可能性もある。
十両と幕下の入れ替えは、十両から落ちる成績の力士が竜虎、勢、王鵬、琴勇輝の4人。幕下から確実に上がれる成績の力士は貴健斗、錦富士の2人だけ。最近は落ちる成績の力士は幕下に落としているので、ここでは東2枚目で4勝の武将山、西3枚目で4勝の一山本まで上げた。貴健斗、武将山がうれしい新十両となる。
文=山口亜土(月刊相撲編集長)
令和三年大相撲力士名鑑(「相撲」編集部/編)
相撲 1月号 初場所展望号(No.917)