カナダのプロフットボールCFLが、カナダ連邦政府に対して求めていた3000万ドル(カナダドル、約24億円)の無利子融資が、却下された模様だ。カナダのスポーツ専門局TSNウェブ版など、カナダのスポーツメディアが現地8月16日夜、一斉に報じた。財政基盤の弱いCFLは、公式戦の数を1/3の6試合で行う今季について、公的な資金援助は不可欠との立場だったため、開催に向け暗雲が漂う状況となった。CFLは、通常は6月開幕でレギュラーシーズン18試合だが、新型コロナウィルス感染症(COVID19)の感染拡大で、大幅に遅れていた。【小座野容斉】
TSNなどは、今季の開幕に向け、CFLとCFLPA(選手会=労働組合)が、新しいCBA(労使協定)について大枠で合意しており、連邦政府からの3000万ドル(カナダドル、約24億円)の無利子融資の決定を待っている状態だと伝えていた。
トロント・サン紙によれば、選手会は、選手に向け「We are making progress.(我々は前進している)」とメッセージを送ったという。カナダ政府による融資はまだ未定だったが、リーグと選手会は楽観的で、早ければこの数日にも融資が決まり、新しい労使協定の締結に至ると考えていた。
CFLは近日中に、今シーズンについて正式に発表するとみられる。
8月14日にカナダ公衆衛生局はCFLと電話会議を行い、CFLが策定したマニトバ州ウィニペグでの「一括バブル開催」案を了承した。公衆衛生局の担当者は「単一の都市で開催され、ファンや地域住民との接触もない。公衆衛生の観点から、純粋な技術的な評価として、提案に非常に満足している」と語ったという。
マニトバ州政府からは、シーズン開催の場合250万ドルの融資が決定しているが、これは宿泊費、交通費、食費など、バブル内での運営費に使われるという。
昨年、CFLと、日本を含む11カ国で締結したパートナーシップに基づくグローバル選手枠は、日本から参加が見込まれるRB李卓(オービックシーガルズ)によれば、仮にシーズンが開幕する場合、今季はグローバルコンバインがなくなり、グローバルドラフトだけが開催されるという。李卓の元には、4球団から照会があったという。
CFLグローバル選手枠には、今春の段階で、日本からは李卓のほか、WR近江克仁(IBMビッグブルー)、OL町野友哉、DL高谷亮太、LB山岸明生(いずれも富士通フロンティアーズ)、K山崎丈路(オービックシーガルズ)の6選手が挑戦する予定だった。
同紙によれば、今季のCFL開幕は、リーグが以前に考えていた公式戦8試合であれば9月中旬の開幕だったが、現在の6試合案であれば開幕は10月上旬にずれ込む。
米国(インターナショナル選手枠)、ヨーロッパ、メキシコ、日本など(グローバル選手枠)の海外選手は8月末までにカナダに入国し、国が義務付けた14日間の自己隔離に入らなければならない。さらにウィニペグのバブルに移動して7日間の隔離とCOVID19の検査がある。その後10日間から2週間のトレーニングキャンプ、6週間のレギュラーシーズン、2週間のプレーオフ、そして11月末にCFLの王座決定戦「グレイカップ」が行われる。
2019年のCFL王者決定戦・グレイカップが開催されたマクマーンスタジアム(アルバータ州カルガリー)=Photo by Getty Images
2019年のCFL王者決定戦・グレイカップが開催されたマクマーンスタジアム(アルバータ州カルガリー)=Photo by Getty Images
2019年のCFL王者決定戦・グレイカップで優勝し、喜び合うウィニペグ・ブルーボマーズの選手たち=Photo by Getty Images
CFLグローバル選手枠選考の地域コンバインに挑戦したオービックシーガルズのRB李卓=2020年2月1日、撮影:小座野容斉
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