アメリカンフットボールのXリーグは、トップリーグ「X1スーパー」第2節でIBMビッグブルーとノジマ相模原ライズが対戦し、IBMがノジマ相模原に逆転勝ちした。IBMは1勝1敗、ノジマ相模原は開幕2連敗となった。
IBMが、点の取り合いを制して今季初白星を挙げた。
序盤、主導権を握ったのはノジマ相模原、第1クオーター(Q)、オフェンスの2プレー目でQBジミー・ロックレイから、新加入の米国人クエンティン・ジョーンズへ37ヤードのタッチダウン(TD)パスが決まり開始わずか49秒で先制した。さらに3分、ロックレイのパスがエンドゾーンのWR伊藤雅恭に決まってTD。IBMもQBケビン・クラフトからTE松岡直希にTDパスが通って反撃したが、ノジマ相模原はインターセプトから得たオフェンスで、10分にロックレイがWR佐藤励にTDパスをヒット、21-7とした。
追いかけるIBMはQBを政本悠紀にスイッチ、第2Qに2本のTDパスで同点とすると、前半終了と同時に、K佐藤敏基のフィールドゴールで24-21と逆転した。
第3Q、IBMは政本からTE細谷海斗へのパスTDでリードを広げるが、ノジマ相模原は、ロックレイから身長160センチのエースWR伊藤雅恭に2本のTDパスを決めて、逆転する。
第4Q再び追いかける展開となったIBMは、QB政本が頭部へのハードヒットで負傷退場したが、戻ったクラフトのパスで前進し、最後はRB伊藤がエンドゾーンに走り込んで再逆転。さらに次のドライブでもRB山中大輔が力強い走りで時間を使いながら前進し、K佐藤のFGにつなげて41-35とリードした。
TDを取る他ないノジマ相模原だったが、ロックレイのパスがIBMのDB矢部伯門にインターセプトされ、万事休した。
シュートアウトゲーム、と言えば聞こえが良い。しかし、両チームとも派手なTDパスが多かった一方で、インターセプトやファンブルロストなど「やってはいけない」ミスも連発した、課題だらけのゲームとなった。数だけで見れば、ミスが多かったのは勝ったIBMだ。悔やまれるのは、そのIBMのミスにつけ込めなかったノジマ相模原のオフェンスだろう。
前半第1Q終盤から第2Qにかけ、IBMゴール前5ヤード、13ヤード、21ヤードと3回にわたって攻め込んだ。しかも2回はターンオーバーで得たチャンス。最低でもFGという局面で、すべて無得点に終わった。
1度目は、第1Q終盤にIBMのQB政本が自陣内でノジマ相模原のLB浦野雄大にパスインターセプトを許し、IBMゴール前16ヤードでノジマ相模原のオフェンスとなった場面。ノジマ相模原はRB宮幸崇のランで11ヤード進み、ゴール前5ヤードでファーストダウンとなった。しかし、次のプレーでRB吉田光輝がIBMのDL佐久間広樹にボールを掻き出されてしまう。エンドゾーンに転がったボールを反応よく抑えたのがIBMのDB中谷祥吾だった。ノジマ相模原がTDを決めていたなら、28-7となってゲームの流れは一方的になっていた。命拾いしたIBMは、次のドライブで政本がWR白根滉にTDパスを決め1TD差とした。
2度目は、第2Q、ノジマ相模原が21対21の同点とされた直後のオフェンス。ロックレイから、WR八木雄平への2本のパスで、一気にレッドゾーンに侵入した。この後13ヤードまで進むが、攻めあぐねた。さらにK鈴木健太が30ヤードのFGを外してしまった。
直後に、3度目のチャンスが訪れる。IBMのオフェンス、セカンドダウンで政本がRB山中にハンドオフしたが、サイドライン際でタックルしたDBリー・ハイタワーが、ボールをもぎ取った。公式記録ではインターセプトとなっているが、実際にはファンブルリカバーだ。
IBMゴール前21ヤードのファーストダウン、ノジマ相模原オフェンスは、一気にTDを狙った。WR八木がエンドゾーンに走り込んだが、ロックレイのパスとタイミングが合わず。ボールの軌道の先には、IBMのDB北村雅史が待っていた。インターセプトしたのが、かってノジマ相模原で活躍した北村だったのは皮肉だ。
次節、IBMはパナソニック、ノジマ相模原は富士通と対戦する。この日のようなミスの多いフットボールを繰り返していたら、勝ち目はない。2週間でどこまで修正できるか。両チームにとって厳しい闘いが続く。【写真/文:小座野容斉】
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