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2021-02-21

【ボクシング】全日本新人王決定戦 強打爆発の奈良井がMVPに

左強打で初回2度ダウンを奪った奈良井(左)

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第67回全日本新人王決定戦は21日、東京・後楽園ホールで無観客開催され、ミニマム級からミドル級まで10階級の東西新人王が熱戦を繰り広げた(フェザー級とスーパーライト級は不戦)。東西対抗の結果は前回に続き6対6で引き分け。最優秀選手賞はスーパーフェザー級の奈良井翼(RK蒲田)、技能賞はスーパーフライ級の久保春平(宮田)、敢闘賞はライトフライ級の狩俣綾汰(三迫)が獲得した。

奈良井が2階級アップで栄冠

全勝対決となったスーパーフェザー級は、奈良井翼(RK蒲田)が得意の左フックを爆発させて福田星河(エディタウンゼント)を初回2度倒し、東日本決勝に続く豪快なTKO勝ち。「絶対もろた!」と確信したとおり、晴れてMVPも獲得した。

分厚い胸板と太い腕が示すとおりのハードパンチャーは、これで7戦7勝(6KO)。大阪・咲洲高時代にアマチュアで近畿2位となり、プロでも順調に白星を重ねたが、2年前、東日本新人王戦の準決勝で体重オーバーを犯し失格。ボクシングをやめようとまで思い詰め、3ヵ月ジムから足が遠ざかった。しかし敬愛する先輩の芝力人にスパーリングパートナーを頼まれたことで、改めてボクシングの面白さに目覚める。2度と失敗しないようスーパーバンタム級から2階級上げ、再び新人王に挑んだ。

2階級上のパンチ力の違いに恐怖を覚えながらも、減量苦から解放されて本来のパワーが全開。4連続KO勝ちで新人王の頂点に立った。ワイルドな破壊力が魅力の21歳は「3年以内に日本チャンピオン、5年で世界を獲ります」と力強く宣言した。

久保、勝利で故郷を沸かせる

スーパーフライ級は、東日本のMVP久保春平が杉本太一(勝輝)を強いジャブと右ストレートで圧倒。4回に連打でストップを呼び込み、今度は技能賞に輝いた。人口7000人弱の出身地・鹿児島県大島郡喜界町では、島民が小学校の体育館に集まりパブリックビューイングで応援していたといい、2試合続けての受賞に笑顔。「まだまだ通過点。自分は叩き上げでセンスもないが、伸びしろしかないので上を目指す」と飛躍を誓った。

激闘制した狩俣が敢闘賞

敢闘賞にはライトフライ級優勝の狩俣綾汰が選ばれた。沖縄・宮古島出身の狩俣は、持ち前のパワーファイトを展開。木村彪吾(グリーンツダ)のカウンターに悩まされながらも、常にプレスをかけ続けた。左ボディブローを起点に、アッパーカット、右オーバーハンドと攻撃をまとめて、終盤2ラウンドを支配し、2-0判定を勝ち取った。高校時代は比嘉大吾(Ambition)や、三迫ジムの同僚で不敗の川満俊輝とともに練習した仲。「ここがスタートライン」と張り切っていた。

【第67回全日本新人王決定戦RESULTS】

★ミニマム級決定戦5回戦
○小島  蓮(江見=西軍)
【判定3-0:50対45×2、49対47】
●佐々木 凌(レパード玉熊=東軍)

★ライトフライ級決定戦5回戦
○狩俣 綾汰(三迫=東軍)
【判定2ー0:48対47×2、48対48】
●木村 彪吾(グリーンツダ=西軍)

★フライ級決定戦5回戦
○宝珠山 晃(三迫=東軍)
【判定2ー1:47対46×2、46対47】
●神崎 靖浩(倉敷守安=西軍)

★スーパーフライ級決定戦5回戦
○久保 春平(宮田=東軍)
【TKO4回2分29秒】
●杉本 太一(勝輝=西軍)

★バンタム級決定戦4回戦
○冨田 風弥(伊豆=西軍)
【判定3ー0:38対37×2、40対35】
●須藤 龍揮(RK蒲田=東軍)

★スーパーバンタム級決定戦5回戦
○福永 宇宙(黒潮=西軍)
【判定3ー0:49対46×2、50対45】
●矢斬 佑季(花形=東軍)

★フェザー級決定戦5回戦
○平野 和憲(KG大和=東軍)
【不戦勝】
●福永  輝(沖縄ワールドリング=西軍)

★スーパーフェザー級決定戦5回戦
○奈良井 翼(RK蒲田=東軍)
【TKO1回2分5秒】
●福田 星河(エディタウンゼント=西軍)

★ライト級決定戦5回戦
○浦川 大将(帝拳=東軍)
【判定3ー0:49対46×2、48対47】
●戸川 叡二(姫路木下=西軍)

★スーパーライト級決定戦4回戦
○高畠 愛大(タキザワ=西軍)
【不戦勝】
●兒玉 麗司(三迫=東軍)

★ウェルター級決定戦4回戦
○能嶋 宏弥(薬師寺=西軍)
【判定3ー0:39対35×3】
●山﨑 海知(山龍=東軍)

★ミドル級決定戦5回戦
○中田 勝浩(井岡弘樹=西軍)
【判定2ー1:48対47×2、47対48】
●可兒 栄樹(T&T=東軍)

写真/BBM

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