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2021-06-22

【陸上】東京五輪50km競歩代表の鈴木雄介がコンディション不良のため代表を辞退

東京五輪代表を辞退した鈴木は、来年の世界選手権に向けコンディションを整えていく 写真/中野英聡

東京五輪男子50km競歩日本代表の鈴木雄介(富士通)が、コンディション不良のため、代表を辞退すると発表した。

 鈴木は2019年ドーハ世界選手権の男子50km競歩で金メダルを獲得して東京五輪の代表に内定していたが、過酷な気象条件下で行われた同レースの影響からその後はコンディション不良に。長期にわたり回復を目指してきた。しかし2020年度は回復力が著しく低下。今年春から本格的な練習を再開したものの、いまだ高負荷のトレーニングは難しく、残された期間で目標とする結果を得るための状態まで仕上げていくことは困難と判断し、代表辞退を決断した。

  鈴木は中学時代から競歩のトップ選手として全国に名を馳せ、トップレベルでは20kmで台頭。2012年ロンドン五輪に出場(36位)し、2015年3月には現在も世界記録として残る1時間16分36秒の世界記録を樹立。同年夏の北京世界選手権では途中棄権となり、その後股関節等のケガもあり、16年のリオ五輪出場を断念し、リハビリなどで約3年間競技会出場から遠ざかっていたが、その後は50kmに距離を伸ばし、再スタート。19年4月の日本選手権50km競歩では当時の日本記録となる3時間39分07秒で優勝。同年秋のドーハ世界選手権で優勝を果たし、東京五輪代表内定と22年世界選手権の出場権を獲得していた。

  鈴木は引き続き、来年7月、アメリカ・オレゴン州のユージーンで開催予定の世界選手権に向け、コンディションを整えていく。

 なお、鈴木の辞退に伴い、補欠選手の勝木隼人(自衛隊体育学校)が代表に内定した。

■鈴木雄介のコメント
「このたび、東京2020オリンピック陸上競技 男子50km競歩代表を辞退する決断をいたしました。前回のオリンピック出場が叶わなかったときから、東京2020オリンピックには必ず出場し、金メダルを獲得することを強く望んで練習に取り組んできました。しかし、自分が望む結果を得るための状態まで仕上げていくことは困難と判断し、今般の決断にいたりました。日頃からご支援・ご声援いただいている皆様、そして地元石川県の方々をはじめ、楽しみにしてくださっていた皆様の期待に沿うことができず心苦しい思いです。悔しい気持ちもありますが、日本競歩チームの一員として、出場する選手を応援していきたいと思います。今後は、コンディションを整えながら、徐々に試合に復帰していければと考えています。来年の世界陸上、そして次回のオリンピックでは金メダルを目指せるように頑張りたいと思いますので、今後もご支援・ご声援よろしくお願いいたします」

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