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2021-06-30

【ボクシング】ノニト・ドネアがカシメロ戦をキャンセル

カシメロ戦とのWBC・WBO統一戦をキャンセルしたとドネアはSNSで明かした(Getty Images)

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 WBC世界バンタム級チャンピオンのノニト・ドネア(フィリピン)は、8月14日にアメリカ・カリフォルニア州カーソンで予定していたWBO世界同級チャンピオン、ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)との王座統一戦をキャンセルした。自身のSNSで明らかにしたもの。

 計画が公になってわずか10日ほどの間、この両者の戦いは、大きな期待から失望、さらに憎悪にまで激しく行き来した。

 WBAスーパー・IBFチャンピオンの井上尚弥(大橋)がマイケル・ダスマリナス(フィリピン)をKOで退けたアメリカ・ネバダ州ラスベガスの試合場に、ドネアとカシメロが来場。その直後に両者の対決が発表されていた。地元フィリピンでは「フィリピン人同士としては史上最大の戦い」と熱狂を持って迎えられ、日本でも井上の4団体統一に向けた最終対戦戦車決定戦として注目を集めた。

 だが、その後、ドネアとカシメロの両サイドはVADA(ボランティア・アンチドーピング協会)による禁止薬物検査の報告を巡って紛糾する。試合開催の前提となる書類がカシメロ側からVADAのもとに届いたのは、ドネアの提出から4日後だった。

「彼ら(カシメロ側)が薬物検査に対して正直でも、前向きでもなかったことを知っています。確かに書類は届いたかもしれませんが、それは私が試合をキャンセルした後、突然にです」

 と語るドネアが、試合から撤退するもうひとつの理由として挙げたのは、妻でマネージャーでもあるレイチェル氏に対する、カシメロ側の侮辱的、威嚇的な言動。「スポーツマンとは思えない」と厳しく非難している。

 カシメロ側のプロモーター、ショーン・ギボンズは、ドネア側とトラブルがあったことを認めたが、「カシメロは予定どおり8月14日にリングのの上る」としている。

 今後、ドネアと交渉を再開し、翻意を促すか、それともドネア戦決定の前にカシメロが対戦すはずだったWBAレギュラー王者ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)の再起用を目指すのか、いまのところ方針ははっきりとは見えてこない。

 ドネアの決意が固ければ、このまま井上戦実現に向かう可能性もある。ただ、2019年、空前の激戦となった戦いの再戦が、バンタム級の4団体統一がかかった戦いにならないことだけは残念でもある。

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