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2021-07-07

【ボクシング】熱戦必至! ホープ激突の日本ユース戦明日ゴング。中垣、花田ともに必勝誓う

中垣(左)と花田。将来性豊かなふたりが激突する!

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 明日8日、東京・後楽園ホールで行われる日本ユース・スーパーフライ級王座決定戦8回戦は、無敗同士、将来性豊かな選手同士の激突だ。出場する両選手、中垣龍汰朗(21歳=大橋)、花田歩夢(19歳=神拳阪神)ともにリミットの52.1kgで計量をクリア。リングに上がるのを楽しみにしている様子をオンライン画面に溢れさせた。

「楽しんで勝つ!」(中垣)
「楽しんで勝つ!」(中垣)

 日章学園高時代、全国大会や国際大会を合わせて8冠。昨年8月にプロデビューすると、今年1月の2戦目も鮮やかな勝利を収めている中垣は、大橋秀行会長の高い期待に対し、「それに見合う実力があると思う」と、さらりと言ってのける。その言いっぷりは、まったく嫌味なく飛び込んでくる。「今回も、レベルアップしながらいい調整ができました。楽しんで勝つだけです」と、まるで買い物にでも行くような雰囲気で語る。

「花田選手は、技術が高く良い選手」と評価しながら、「でも、相手がどうこうではなくて自分自身。集中を切らさず、自分のパフォーマンスをするだけです。相手がどんなボクシングをしてきても対応できる練習はしてきました」と自信を窺わせる。

「ここはひとつの山。勝って次につなげたい」(花田)
「ここはひとつの山。勝って次につなげたい」(花田)

 10歳でボクシングを始め、中学時代に名王者リカルド・ロペスのボクシングに惹かれ、15歳で単身メキシコに渡った花田。右も左もわからないのはもちろんのこと、言葉すらも知らないまま飛び込んだ名門パンチョ・ロサレス・ジムで、自らの力をアピールするところからスタート。その後は、複数のジムから誘いを受けるほどになり、16歳でプロデビューを迎えた。以来、4戦4勝3KO。ただ、将来の、頂上への道について考えると同国では困難。帰国して、かつて育ったジムに舞い戻って日本デビューを迎えた。

「中垣選手がアマ時代から名前は知っていた。いずれ倒さないといけない選手と思っていました」。とはいえ、対中垣用のサウスポー対策などは特別に積んでいない。濃密すぎる経験に、絶対的な自信があるからだ。「サウスポーに対してボディブローを打つのは難しいけれど、メキシコ仕込みのそれを見せたい」と腕を撫す。

 若くして、あまりに勇ましい行動に出た花田だが、エリートと思われる中垣も決して負けていない。中学から親元を離れて日章学園中に越境入学。とにもかくにも、ボクシングで一旗揚げるためだった。

「花田選手にはメキシコ特有のリズム、テンポがあると思う。でも、高校時代にメキシコの留学生がいたので、そのときマスをしたことを思い出したりしています」(中垣)
「バランスは特に意識しています。打つときも守るときも。そこは大切にしています。中垣選手もバランスがいいですが、隙を見つけてそこを突く」(花田)

 ちなみに、花田を虜にしたロペスの試合は、大橋会長からロペスがWBCミニマム級王座を奪った試合(1990年10月)だという。そんな不思議な縁も、この両者を引き寄せたのかもしれない。

“本家”日本タイトルマッチをも凌駕する、ハイレベルな駆け引きが期待される。

中垣:2戦2勝(2KO)
花田:6戦6勝(4KO)

文_本間 暁 写真提供_大橋ボクシングジム

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