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2021-07-14

【陸上】寺田明日香「追い込んで落ちるところまで落とす」57年ぶりの五輪ファイナルを目指す“賭け”【連載#0】

東京オリンピックに出場する寺田明日香(ジャパンクリエイト)

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東京のめぐり合わせ

 東京五輪の延期が決まったときは、「1年は長いな」と思いましたが、体づくりをはじめ、この1年でより力を入れてできるようになったことも多かったので、一生懸命取り組んできた結果でもありますが、過ぎてしまえばあっという間でした。ラグビー選手時代と比べると体重は少し軽くなっているくらいですが、見た目は全然違っていますし、去年からも結構大きくなっています。

 初めてのオリンピック……というとオールドルーキーみたいですが(笑)。女子短距離で日本人2人目のファイナリストになりたいと思っています。ロンドンや北京を目指していたときはオリンピックに出ることが大きな目標で、出たあとにどう走りたいかというのは全然なかったのですが、今回は予選・準決勝・決勝までをどう走るかをずっと考えてやってきました。

 12秒84が切れなかった自分としては、全レース全力でいかないといけない。12秒8台、7台、6台と上げていかなければ、オリンピックで3本走る権利は得られないと思っているので、今まで以上にいい状態で臨みたいと思っています。

 技術面に関しても、時間のないなかではありますが、悪いところはできるだけなくして、いいところはできるだけ伸ばして臨みたいです。

 依田郁子さんが80mHで決勝に進んだのは前回の1964年東京五輪のときでした。それ以来、女子短距離は、誰も決勝に出られていません。今回、めぐり合わせで、せっかく東京五輪を走れることになったので、もう一回東京で、日本女子が、短距離種目でも決勝に残れるようになるんだというのを見せられるように、走りたいと思っています。

Profile
てらだ・あすか
1990年1月14日、北海道生まれ。柏丘中→恵庭北高→北海道ハイテクAC(以上、北海道)→パソナグループ→ジャパンクリエイト。小学生時代に全国で活躍し、中学では伸び悩むも、高校では100mHでインターハイ3連覇、3年時は100m・4×100mRとの三冠。2008年の日本選手権では100mHで史上最年少優勝を飾り、10年まで3連覇。09年のベルリン世界選手権に出場。13年に引退し、大学進学・結婚・出産を経て、16年8月に7人制ラグビー転向。18年12月、陸上競技に復帰し、19年9月に12秒97(+1.2)を出し、19年ぶりに日本記録を更新。ドーハ世界選手権に出場。東京五輪イヤーの今季、4月に12秒96(+1.6)、6月に12秒87(+0.6)と立て続けに日本記録を更新。11年ぶりに日本選手権優勝。東京オリンピックでは決勝進出を目指す。

写真/中野英聡

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