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2021-07-22

【ボクシング】ホープ石井が南出を5回TKO/橋詰が移籍初戦飾る/高山圧巻の初回勝利

石井の左アッパーが南出を襲う

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 21日、東京・後楽園ホールで行われた日本フライ級タイトルマッチの前座にホープが総登場。スーパーバンタム級8回戦は、日本ユース・バンタム級王者で日本同級9位の石井渡士也(20歳=REBOOT.IBA)が5位の南出仁(26歳=セレス)に5回2分18秒TKO勝ち。53.0kg契約8回戦は、OPBF東洋太平洋スーパーフライ級2位の橋詰将義(27歳=角海老宝石)が湊義生(みなと・よしき、23歳=JM・加古川)に8回46秒TKO勝ち。スーパーフライ級6回戦は、日本同級15位の高山涼深(たかやま・すずみ、24歳=ワタナベ)が富岡浩介(20歳=REBOOT.IBA)に初回1分47秒TKO勝ちした。

文_本間 暁 写真_菊田義久

右を決め打った石井

右ストレートでダウンを奪った石井。決め打ちだった

右ストレートでダウンを奪った石井。決め打ちだった

 石井と南出。井上尚弥(大橋)のスパーリングパートナーを務めた同士の1戦は、初回から動く。早々に右のタイミングを合わせていた石井が、サウスポー南出にワンツーを決めてヒザを着かせる。これで気持ちにゆとりを持った石井は、体全体の動き、リズムを止めて右狙いに執心。フットワークからリズムを取り戻しにかかった南出の左ボディアッパーをまともに食うシーンが増えた。
 そのまま流れが南出に傾きかけた3回、石井の右で南出はふたたび尻もち。ラウンド終了間際にバッティングでややダメージを受けた石井は、右ストレートから左アッパーのコンビネーションを再三繰り出して、立て直していった。
 劣勢を挽回したい南出は、焦りからスイング系ブローが多くなり、それをかわされてスタミナをロス。対して、敢えて動きを止めて、インサイドからのアッパー、右ショートストレートと狙った石井との正確性に差が出始めた。
 5回、南出の左もヒットしたが、両ガードを下げて誘った石井が、南出の入り際に左アッパーを合わせると、レフェリーが試合を止めた。
 昨年11月、元日本スーパーフライ級王者で世界ランカーの石田匠(井岡)に初黒星を喫した石井は、“モンスター”も実力を認める選手。だが、右狙いにこだわりすぎ、リズムを止めて無造作にボディブローを打たせたのが気になった。4勝(3KO)1敗。同じく昨年11月に現OPBF王者・中嶋一輝(大橋)に敗れた南出は連敗。気持ちをうまくコントロールする術を身に着けたい。4勝(3KO)2敗。

橋詰はしたたかだった

低い姿勢で入ろうとする湊の頭を押さえて左ボディ。橋詰はしたたかに戦った

低い姿勢で入ろうとする湊の頭を押さえて左ボディ。橋詰はしたたかに戦った

 威勢よくステップインしながら右を振るい、中に入っては左右フックを合わせていった2018年度フライ級全日本新人王の湊だが、移籍初戦のサウスポー橋詰はしたたかだった。序盤こそブランクの影響か、ブローの正確性を欠いたが、回が進むごとに左ボディフック、アッパーを決めていき、湊のスイングをスウェー&ターンでかわしていく。ヒットを奪えない湊は、気迫だけは持ち続けたものの、気合が空回りするシーンが増え、スタミナも余分に失っていった。
 橋詰はコツコツとショートを決めていたかと思えば、左から右フックをハードヒットするなど、緩急をうまく使う。6回に湊の左フックを右目に直撃されてダメージを受けたが、ペースを変えず。8回、フットワークから左ボディアッパーを決めると、レフェリーが湊に続行を許さなかった。
 2019年4月以来の試合となった橋詰は20戦18勝(11KO)2分。湊は14戦9勝(4KO)5敗。

高山は圧勝

自信満々に攻めた高山が、あっという間に3度ダウンを奪って勝利

自信満々に攻めた高山が、あっという間に3度ダウンを奪って勝利

 元日本ユース王者・高山と、期待されながら昨年度東日本新人王戦で敗れた富岡によるサウスポー対決は、距離をとって変則タイミングで左を放り込む富岡を、高山がはなから飲んでかかった感。プレスをかけて豪快な左を次々と放っていく。これにカウンターを狙う富岡だったが、高山が威力でもタイミングでも上回り2度ダウンを奪う。そしてまたしてもロープを背負わせた高山が、左から右フックをフォローすると、富岡は横倒しに。レフェリーは即、試合を止めた。
 高山は4戦4勝4KO。連続KO負けの富岡は6戦4勝(3KO)2敗。

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