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2021-09-16

【相撲編集部が選ぶ秋場所5日目の一番】照ノ富士、序盤を無傷で乗り切る

全勝同士の結びの一番、長い相撲の末に照ノ富士が万全の体勢から霧馬山を寄り切り、全勝を守った

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照ノ富士(寄り切り)霧馬山

5日目は北勝富士が「右膝内側側副靱帯損傷」のため休場、また豊昇龍は発熱し、PCR検査の結果は陰性だったものの、「急性扁桃炎」のため休場となった。豊昇龍は体調が回復すれば再出場できると思われるが、実力者2人の休場は残念なばかり。

4日目までの全勝は横綱照ノ富士と平幕の霧馬山、妙義龍、千代の国の4人だけ。5日目は千代の国は勝ったが妙義龍が敗れ、照ノ富士と霧馬山の全勝対決が組まれた。過去の対戦は照ノ富士の3戦3勝だが、霧馬山も力をつけているだけに侮れない。

立ち合い、霧馬山の低い当たりを受け止めた照ノ富士は右を差し込み、左から抱えたが、霧馬山は止まらず左に回り込みながら正対させない。1周すると霧馬山が振りほどいて、今度は左四つに。霧馬山は右で上手を取り、頭をつける体勢。照ノ富士は右上手が取れず、腰を落として我慢するしかない。

いい形となった霧馬山だが、横綱にどっしりと構えられては動かすこともできず、攻め手がない。頭をつける低い体勢は時間が経てばかなり苦しい。1分過ぎ、霧馬山は勝負を懸けて右を巻き替えた。しかし、照ノ富士はこの動きを待っていた。左上手を引きつけて胸を合わせる。霧馬山も必死に左上手を切ったが、照ノ富士はすぐに左を巻き替え、最後は万全の体勢で寄り切り、全勝を守った。

「慌てずよく見て取ろうと思っていた」と照ノ富士。「我慢の相撲だった?」と聞かれると、「自分から動ける体勢ではなかったので」と落ち着いていた。

新横綱の序盤を無傷で乗り切ったが、「一日一番、集中してやっているだけです」と気負いはない。年6場所制となった昭33年以降、新横綱で優勝したのは大鵬、隆の里、貴乃花、稀勢の里の4人だけ。土俵入りで神経を使うだけに、慣れるまでは相撲に集中できないものだが、照ノ富士には関係ないようだ。

善戦むなしく敗れた霧馬山は、よほど悔しかったのか、リモート取材には応じなかった。毎朝、鶴竜親方から対戦相手ごとにアドバイスをもらっている。おそらく、腰に食いついて横から攻めろとの助言があったと想像するが、大きな横綱に動きが止まってどっしり構えられては厳しかった。

文=山口亜土

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