正代(寄り切り)北勝富士この日も照ノ富士は落ち着いた相撲で隆の勝を退け3連勝。連敗スタートとなったカド番大関の貴景勝は、3日目も黒星で3連敗。先場所の対戦で首を痛めた逸ノ城に対し、頭から当たらずモロ手突きでいったが、結局、廻しを取られて上手投げに屈した。
「一生懸命にやって負けるってことは弱いということ。明日に向けて準備するだけです」と語っていたが、ケガが悪化する前に休んで、来場所関脇で二ケタ勝利を目指したほうがいいのではないか。
こうなると、照ノ富士を追いかける期待は、もう1人の大関である正代に懸かってくる。初日は豊昇龍に敗れたが、2日目は難敵の髙安を下し、3日目は2連勝中の北勝富士と対戦。これまで正代の9勝2敗と分がいいが、連勝中の北勝富士は嫌な相手だ。
立ち合いは北勝富士の踏み込みがよく、一歩攻め込んだが、正代は左をのぞかせると前に圧力をかけて押し返し、最後は右も入ってモロ差しの体勢で寄り切った。
「立ち合いから左が差さったので、起こしながらモロ差しにつなげたのがよかった」と正代。立ち合いは負けていたが、「立ち合いは遅れたなりに左がのぞいてくれたので、流れとかいい方向に向いてくれた。内容も動きも悪くないので、この流れで自分の相撲が取れたらと思います」と語る。
先場所は千秋楽にようやく勝ち越す不甲斐ない成績だったが、今場所は優勝争いに絡んでいきそうな気がする。
「先場所は苦しい体勢になると引いていたけど、今場所はさばきにいかず、攻める相撲が出ているので調子はいいのかなと思う」
照ノ富士に独走を許し、後続と差が開いて、13日目あたりに優勝を決められたら、場所がしらけてしまう。「1敗を守って、後半まで争っていけたらいいなと思います」と正代は追撃を誓っていた。
文=山口亜土