アメリカンフットボールのXリーグ「X1エリア」は、10月10日、富士通スタジアム川崎で第4節の2試合があった。イコールワン福岡SUNS対ペンタオーシャンパイレーツの一戦は、福岡SUNSがパイレーツを破り、3勝1敗(勝ち点9)とした。パイレーツは1勝3敗(勝ち点3)となった。
イコールワン福岡SUNS○28-17●ペンタオーシャンパイレーツ(2021年10月10日、富士通スタジアム川崎)【得点経過】
福岡SUNS 第1Q 7:26 QB西山雄斗→WR和田俊亮, 3ヤードTDパス (吉野至キック成功)
9回 69ヤード4:29 [0-7]
福岡SUNS 第1Q 9:25 RB小野洋輔, 1ヤードTDラン (吉野キック成功)
5回 34ヤード1:49 [0-14]
パイレーツ 第2Q 2:06 RB上田貴弘, 7ヤードTDラン (赤津裕之キック成功)
9回 81ヤード4:41 [7-14]
パイレーツ 第2Q 11:33 QB川島渚, 1ヤードTDラン (赤津キック成功)
14回 77ヤード7:10 [14-14]
福岡SUNS 第3Q 1:40 QB西山→WR岩永悠暉, 8ヤードTDパス(吉野キック成功)
4回 63ヤード1:40 [14-21]
パイレーツ 第3Q 9:30 K赤津, 30ヤードFG
[17-21]
福岡SUNS 第4Q 3:42 QB西山→WRドニー・キングJr, 22ヤードTDパス(吉野キック成功) 7回 85ヤード2:57 [17-28]
パイレーツのオフェンスを止められず、苦戦 福岡SUNSにとって、2019年11月以来の川崎でのゲーム。アウェーにもかかわらず、スタンドに詰めかけた多くのファンの前で、苦戦を強いられた。
滑り出しは順調だった。183センチ110キロのRBブランドン・ベリーのパワフルなランでファーストダウンを重ねてエンドゾーンに迫り、QB西山からWR和田へのプレーアクションパスでTDを奪った。
直後のキックオフで、パイレーツのリターナー、RB上田がファンブル。リカバーした福岡SUNSは、QB西山からWR菱岡直貴へアウトサイドのスクリーンパスでゴール前へ。仕上げはRB小野がエンドゾーンに飛び込んだ。
開始10分も立たないうちに2ポゼッション差、完全に福岡SUNSのペースだった。
しかし、パイレーツの反撃はここからだった。QB西澤凌介のパスが決まり、RB草野公平、そして先ほどミスしたRB上田のランも止まらない。9プレーで81ヤードを進み、あっさりTDを返した。
パイレーツは次のオフェンスでも、止まらなかった。2人のルーキー、草野と上田に加え、34歳のRB木村亮も良いランを見せた。QB西澤もパスだけでなく、効果的なQBキープで福岡SUNSのディフェンスをほんろうした。このドライブでは4回の3rdダウンをすべて取り切って、14プレー7分10秒で77ヤードを進んだ、力強いTDドライブとなった。
そのまま、14-14で折り返し、後半は福岡SUNSのオフェンスから。
QB西山からQB/WRの伊藤嵩人へスクリーンパスで21ヤードをゲイン。さらにRBベリーが27ヤードの突進でゴールに迫り、QB西山からWR岩永へのパスで、再びリードを奪った。
パイレーツは3点を返し、さらに第3Q終盤、ディフェンスがビッグプレーを引き起こす。
RBベリーのランに対し、パイレーツDE蔀啓介がタックルしながらボールを弾き出し、パイレーツがリカバーしたのだ。法政大で主将。パイレーツでも長年主将を務めたが4年前に一度引退。今春からチームに復帰した蔀の、チームを勇気づけるターンオーバーだった。
福岡SUNSにとっては一番の危機。ここはディフェンスが、踏ん張った。この試合で唯一の3rd&アウトで乗り切った。
福岡SUNSは、直後のオフェンスでRBベリーが34ヤードのビッグゲイン。最後は西山がWRドニー・キングにTDパスをヒットして、差を11点とした。
パイレーツオフェンスは、最後まで前進し続けたが、TDを奪えず。福岡SUNSが逃げ切った。
オフェンスのトータルヤードは、329ヤードと312ヤード。ファーストダウンは20回と15回。タイムオブポゼッションは29分50秒と18分10秒。すべてパイレーツが上回った。
特にサードダウンコンバージョンでは8/14と2/5。福岡SUNSディフェンスがフロントで止められずに、ずるずると進まれ、セカンダリーがタックルする場面が目についた。パイレーツは確かに底力のあるチーム。だが、今季ここまで3試合で、トータルオフェンスが300ヤードを超えた試合は無かった。
福岡SUNSのランは128ヤードだが、RBベリーが133ヤード。ベリーがいなければマイナスだった。
吉野至HCは「ランプレーがなかなか止められなかった。(パイレーツは)ずっとX1でやっているチーム。我々よりも格上だということもわかっていた。チャレンジャーのつもりで戦っていた」という。
吉野HCによれば、予想して止めようと準備してきたプレーと、パイレーツの実際の試合でのプレーコールに差異があったという。「パスラッシュも含めて、DLがこの試合の一番の反省ポイント」と語った。
最終節で戦う電通は、X1エリアでも屈指のハイスコアオフェンスを持つだけに、しっかりとした修正が必要となる。