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2021-10-16

【アメフト】富士通オフェンスが猛爆撃、IBMを粉砕し4戦全勝 X1スーパー

【富士通 vs IBM】第1Q2分、富士通WRグラントがQB高木からのTDパスをレシーブ=撮影:小座野容斉

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アメリカンフットボール・Xリーグの最上位「X1スーパー」は10月16日、富士通スタジアム川崎で、富士通フロンティアーズ対IBMビッグブルーの一戦があり、富士通がIBMに大勝した。富士通は4戦全勝で勝ち点12、IBMは3敗1引き分けで勝ち点1のままとなった。

富士通フロンティアーズ○63-24●IBMビッグブルー
(2021年10月16日、富士通スタジアム川崎)

【得点経過】

富士通 第1Q 2:05 QB高木翼→WRサマジー・グラント, 15ヤードTDパス(K納所幸司キック成功)
 6回 73ヤード,2:05   [7-0]

富士通 第1Q 5:05 RBトラショーン・ニクソン, 9ヤードTDラン(K納所キック成功) 
6回 71ヤード,2:09  [14-0]

富士通 第1Q 9:15 QB高木→WRグラント, 21ヤードTDパス(K納所キック成功) 
7回 44ヤード,3:07  [21-0]

IBM 第2Q 4:09 QB政本悠紀→WRジェイソン・スミス, 72ヤードTDパス(K丸山和馬キック成功) 
3回 88ヤード,0:37  [21-7]

IBM 第2Q 5:23 K丸山, 40ydヤードFG 
 [21-10]

富士通 第2Q 5:35 RBニクソン, 65ヤードTDラン(QB高津佐隼矢2点CVラン成功) 
1回 65ヤード,0:12  [29-10]

富士通 第2Q 11:35 QB高木→WR宜本潤平, 10ヤードTDパス(K納所キック成功) 
4回 42ヤード,0:31  [36-10]

IBM 第3Q 2:58 QB政本→RB鈴木恵多, 7ヤードTDパス(福岡勇斗キック成功) 
10回 76ヤード,2:58  [36-17]

富士通 第3Q 3:31 RBニクソン, 72ヤードTDラン(納所キック成功) 
2回 72ヤード,0:33  [43-17]

富士通 第3Q 5:31 QB高木→WR小梶恭平, 7ヤードTDパス(納所キック成功)
 4回 44ヤード,0:42  [50-17]

IBM 第3Q 9:18 QB政本→TEジョン・スタントン, 7ヤードTDパス(福岡キック成功) 
11回 81ヤード,3:47  [50-24]

富士通 第3Q 10:47 K納所, 40ヤードFG 
[53-24]

富士通 第4Q 2:34 K納所, 27ヤードFG
[56-24]

富士通 第4Q 5:16 QB高津佐→WR小梶, 47ヤードTDパス(納所キック成功) 
3回 61ヤード,1:50  [63-24]
【富士通 vs IBM】第1Q2分、富士通QB高木がWRグラントにTDパスを投げる=撮影:小座野容斉

IBMディフェンスが崩壊 12分Qゲームで668ヤード喪失

 富士通オフェンスが、序盤から面白いようにタッチダウン(TD)を重ねた。中国の古典『三國志演義』の表現を借りれば「まるで袋の中のものを取り出すように」TDを奪った。別の言い方をすれば、IBMにはディフェンスが無いのと同じだった。

 この試合で富士通が記録したオフェンスのトータルヤーデージは、668ヤード。内訳はパス479ヤード、ラン189ヤード。「空爆&地上戦」で8TDを奪い、IBMを圧倒した。

 Xリーグは12分クオーター制だ。

 例えば米プロフットボールNFLの場合、1951年にロサンゼルス・ラムズが1ゲームトータルで735ヤードという数字を残しているが、もちろん15分クオーターで記録されたもの。

 資料によれば、2000年以降の20年間のレギュラーシーズンで、1試合650ヤード以上のトータルオフェンスを記録したNFLのチームは存在しないという。もし富士通‐IBM戦が15分クオーターだったら、一体どうなっていたのだろうか。

 さらに衝撃的なスタッツがある。富士通のオフェンスは62プレーだった。つまり、1回平均10ヤードを超えている。理屈の上では1プレーごとにファーストダウンを更新できたことになる。
【富士通 vs IBM】第1Q 5分、 富士通RBニクソンが 9ヤードのTDラン=撮影:小座野容斉

 数字以上に内容が悪い。富士通オフェンスに、何度もビッグプレー、ロングゲインを許した。プレー的には止まっているはずのランが、タックルの甘さゆえに独走TDになった。

 IBMディフェンスの惨状は今回だけではない。前節、10月3日のパナソニックインパルス戦では、644ヤードを奪われ、65失点した。2試合で1312ヤード、128失点。今季4試合で1試合平均失点は49点となった。

 QB政本のノーハドルパスオフェンスは、ケビン・クラフトヘッドコーチ(HC)が現役QB時代から続いており、ブラッシュアップはされているが、どのチームも慣れている。ドライブできなければオフェンスの時間は短くなり、直ぐにディフェンスの出番が回って来る。サイドラインでの修正もままならない悪循環となる。
【富士通 vs IBM】第2Q、富士通DL宮川、高橋がIBMのQB政本にプレッシャー、インターセプトを誘発する=撮影:小座野容斉

【富士通 vs IBM】第2Q、富士通DB奥田がパスインターセプト=撮影:小座野容斉
 NFLでも、カレッジフットボールでも、このような試合を続けていたら、ヘッドコーチやディフェンスコーディネーターは解雇される。本場、米国と、日本のXリーグでは、あらゆる環境が違い過ぎるので、このような比較は意味がないのかもしれない。とはいえ、手をこまねいて、ずるずると悪い結果を重ねていて、いいわけがない。

 今季も、DEジェームス・ブルックス、LBハーバート・ガンボア、TEジョン・スタントン、WRジェイソン・スミスという優れた外国人選手が在籍している。OLやDLは人材が不足し層が薄いものの、チーム全体として見ればオフェンス・ディフェンスともに優れた選手が多い。決して戦力が足りないわけではない。

 つい3年前まで、IBMは、強豪チームだった。2012年に「元祖・黒船」QBクラフトを招き、Xリーグの各チームに衝撃を与えた。優れた米国人選手をそろえ、山田晋三・前HCの下、政本や、LBケビン・コグランら学生トップ選手も集まり、「BIG3」富士通、オービック、パナソニックの牙城に迫っていた。
 
 2017、18年には、パナソニックを2年連続でアウエーの準決勝で降し、決勝のジャパンXリーグボウルに進出した。K佐藤敏基、WR近江克仁のような、海外のプロリーグに挑戦する選手も生み出してきた。

 「イノベーティブ」をスローガンに、着実に進化してきたはずのIBMフットボールが、今、音を立てて壊れつつある。
【富士通 vs IBM】第2Q終了間際、富士通QB高木からのパスをキャッチしたWR宜本が23ヤードをゲイン、直後のTDにつなげる=撮影:小座野容斉


【富士通 vs IBM】富士通DL斎川が、早大の先輩・IBMのQBにプレッシャーをかける=撮影:小座野容斉



【小座野容斉】

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