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2021-10-22

【NFL】「RBジョンソンって?」無名選手が活躍、ブラウンズがブロンコスを撃破 第7週サーズデイナイト

◇ブラウンズ17-14ブロンコス◆ ラン22回146ヤードと活躍し、チームをけん引したRBジョンソン=photo by Getty Images

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 米プロフットボール・NFLは、現地10月21日(日本時間22日)、オハイオ州クリーブランドで第7週のサーズデイナイトゲームがあり、クリーブランド・ブラウンズとデンバー・ブロンコスが対戦。ブラウンズが、ブロンコスの追い上げを交わして4勝3敗とした。ブロンコスは3勝4敗となった。(写真はすべて Getty Images )

クリーブランド・ブラウンズ○17-14●デンバー・ブロンコス
(2021年10月21日、ファーストエナジースタジアム)

【得点経過】

ブラウンズ 第1Q 残り12:20 ダーネスト・ジョンソン4ヤードTDラン (キック成功)
5プレー75ヤード, 2:40 [0-7]

ブラウンズ 第1Q 残り3:09 チェイス・マクローリン 52ヤードFG 
12プレー43ヤード, 7:04 [0-10]


ブロンコス 第3Q 残り7:48 RBメルビン・ゴードン8ヤードTDパス←QBテディ・ブリッジウォーター (キック成功) 
13プレー79ヤード, 7:12 [7-10]

ブラウンズ 第3Q 残り0:27 FBジョニー・スタントン1ヤードTDパス←QBケイス・キーナム (キック成功)
13プレー75ヤード, 7:21 [7-17]

ブロンコス 第4Q 残り5:17 RBジャボンテ・ウィリアムズ10ヤードTDパス←QBブリッジウォーター (キック成功) 
17プレー80ヤード, 6:08 [14-17]

◇ブラウンズ17-14ブロンコス◆ ブラウンズDEクラウニーが負傷欠場のQBメイフィールドと勝利の握手=photo by Getty Images

代役の選手たちが、チャンスできっちり結果

 QBベイカー・メイフィールド、RBニック・チャブ、カリーム・ハント、RTジャック・コンクリン、LBジェラマイア・オウスコラモア・・・。チームの軸となる重要なポジションで、ブラウンズは欠場者が続出した。

 メイフィールドは、4日前のカーディナルス戦で、何度もヒットされ、特にJJワットにサックされた際に左肩を負傷した。利き腕ではないが、試合出場は不可能だった。ハント、チャブの強力なコンビがともに出場できなくなったRBも深刻だった。RTコンクリンは昨年のオールプロ、LBオウスコラモアはルーキーながらディフェンスの中心としてプレーしていた。

 窮地のブラウンズを救ったのは、無名の代役RBディアーネスト・ジョンソンだった。キャリアハイとなるラン22回で146ヤード。タッチダウン(TD)ランは先制の1本だった。

 試合前に「初めての先発出場のチャンスが来た。ずっと夢だった」と語っていたジョンソンは、2019年のオフシーズンにブラウンズに入団した25歳。

 初めてプロ選手としてプレーしたのはNFLではなかった。

 サウスフロリダ大ではベストのシーズンでもラン800ヤードに届かない平凡な成績。2018年春にセインツと契約を結んだが、ルーキーミニキャンプに招待されただけで終わり、サマーキャンプにも参加できなかった。

 2019年の春に起ち上げられた新興プロリーグAAF(アライアンス オブ アメリカンフットボール)で、ジョンソンは芽を出した。AAFは8週間で経営破綻し解散となったが、オーランド・アポロスでプレーしたジョンソンは8試合でランとパスレシーブ合計で592ヤードをゲイン、NFLから注目された。そしてブラウンズにたどり着いたのだった。

 2019年はランは21ヤードながら6回のパスキャッチで71ヤードで能力をアピール、2020年は第4週のカウボーイズ戦でラン95ヤードを記録するなど、チーム内では力を認められていた。
◇ブラウンズ17-14ブロンコス◆ 先制TDを奪い、雄たけびを上げるRBジョンソン=photo by Getty Images
 「シンデレラRB」ジョンソンが活躍する素地を作ったのは、ブラウンズオフェンスのプレーコールだ。ケビン・ステファンスキーHCはプレスナップモーションを多用し、スクリーンパスを使ってボールを動かした。コンクリンを欠いたOLも、ゾーンブロックでジョンソンの走路を切り開いた。

 忘れてはならないのが、NFL10年目、33歳のQBケイス・キーナムだ。カレッジフットボールのパス記録を保持し、かってはバイキングスやブロンコスでエースQBとしてプレーしたキーナムも、今は控えQB。先発は2019年以来だったが、パス21/33で199ヤード1TDとしっかりゲームを作った。

 特に光ったのは第3QのTDドライブだ。この直前に7-10と迫られたブラウンズが、7分近くをかけてロングドライブで、ゴール前6ヤードまで迫った。しかし3rdダウンで、キーナムが背後からヒットを受けてコントロールが狂い、パスは失敗した。

 ステファンスキーHCは、このドライブをフィールドゴール(FG)で終わらせては勝てないと考え、4thダウンギャンブルに出た。キーナムはブロンコスディフェンスに囲まれパスが投げられずにスクランブル、2人のタックルをはねのけ、片手を突きながら執念の突進でファーストダウンを奪った。ボールをファンブルしたように見えたが、膝をつくのが先だった。
◇ブラウンズ17-14ブロンコス◆ 勝負所で貴重なスクランブルを決めたQBキーナム=photo by Getty Images

 ゴール前1ヤードの1stダウンで、キーナムはFBスタントンにパスを決めTDを奪った。初めてNFLでプレーしたのが26歳9カ月という遅咲きスタントンもまた無名選手。プロ初のTDだった。

 ジョンソン、スタントン、そしてキーナム。無名選手や控えQBが、与えられたチャンスできっちり結果を出した。ブラウンズにとって価値のある1勝となった。
◇ブラウンズ17-14ブロンコス◆ プロ初のTDを決めたブラウンズFBスタントン=photo by Getty Images

ブロンコス、前半のファーストダウンはわずか2回 

 ブロンコスはオフェンスが低調だ。QBブリッジウォーターは後半にアジャストして2TDパスを決めたが、ランは最後まで低調で、獲得ヤードはブラウンズの182ヤードに対し、ブロンコスは42ヤード。

 特に前半がひどかった。16プレーで76ヤードしか進めず、ファーストダウンはわずか2回。タイムオブポゼッションは、ブラウンズ21分11秒に対して8分49秒だった。

 開幕3連勝の後に4連敗となったが、敗れた4試合は前半がいずれも低調で、計8Qで2TD2FGの20点しか奪えていない。木曜日の試合を戦ったことで次戦まで中9日。前半から攻め込めるオフェンスを取り戻すことが課題となった。
◇ブラウンズ17-14ブロンコス◆ 開幕3連勝から1点4連敗したブロンコスのファンジオHC=photo by Getty Images

【小座野容斉】

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