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2021-11-02

【NFL】名手ブレイディ、2ミニッツで痛恨のミス 無名の控えQBも活躍 NFL第8週の結果

◇セインツ36バッカニアーズ27◆逆転をかけた2ミニッツオフェンスで、痛恨のミスを犯して敗戦。うつむいてフィールドを去るQBブレイディ=photo by Getty Images

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米プロフットボール・NFLは、現地10月31日(日本時間11月1日)、全米各地で第7週の13試合が開催された。1敗チームの中ではラムズとカウボーイズが勝ったが、バッカニアーズが「GOAT」QBトム・ブレイディが、逆転をかけた2ミニッツオフェンスで痛恨のミスを犯し、2敗目を喫した。ブレイディだけでなく、ジャスティン・ハーバート(チャージャーズ)、ジョー・バロウ(ベンガルズ)ら、次代を担うスターQBが、終盤に敗因となるインターセプトを喫した。
 一方で、今週は無名の控えQBが活躍する週となった。ジェッツとカウボーイズが、NFL初先発のQBが試合最終盤に逆転TDパスを決めて勝った。セインツ、シーホークスも控えQB の活躍で勝利を得た。
 唯一の全敗、ライオンズはイーグルスに大敗して開幕8連敗となった。
 レイダース、レイブンズはバイウィークで試合が無かった。(写真はすべてGetty Images)

◇ジェッツ34ベンガルズ31◆
 ジェッツが先週まで控えだったQBマイク・ホワイトの大活躍で、ベンガルズに第4Qに逆転勝ちした。ルーキーQBザック・ウィルソンが負傷欠場となったジェッツは、今週からホワイトをスターターに。NFL初先発のホワイトは先制タッチダウン(TD)パスの後、2連続インターセプト(INT)と荒れ気味だったが、第2Q以降立ち直った。

 第4Q、残り7分で11点のビハインドだったが、そこから2回のオフェンスシリーズで、ショットガンノーハドルから、立て続けにパスを決め、2連続TDで逆転した。この2つのドライブで、ホワイトは
パス8/9とほぼ完ぺきなパフォーマンスを見せ、おまけに2ポイントコンバージョンも1回決めた。
 パス37/45、82%で405ヤード、3TDのホワイトは、2つの大学で42試合に出場、パス11262ヤード、73TDという実績を持ったパサーだった。2018年にカウボーイズにドラフト5巡で指名され、2019年からはジェッツと契約していた。

 NFLで最初に先発した試合でパス400ヤード以上を記録したのは、1950年以降では、キャム・ニュートン(元パンサーズなど)に続いて史上2人目という。


 ベンガルズディフェンスはホワイトのクイックリリースに対応できず、トータルディフェンスで511ヤード喪失、ファーストダウンは32回更新された。

 QBジョー・バロウはパスで3TDと好調だった。しかし、4点差に詰められた第4Q残り4分、自陣25ヤードからのオフェンスのファーストプレーで、背後にラッシュしてきたジェッツDEシャック・ローソンに気づかず、投げたパスを叩かれてINTを喫したのは失態だった。

◇ジェッツ34ベンガルズ31◆◇ジェッツ34ベンガルズ31◆試合残り7分からパスで2TDを決め、11点差を逆転したジェッツのQBホワイト=photo by Getty Images=photo by Getty Images
◇ペイトリオッツ27チャージャーズ24◆
今季のルーキーQBの中で着々と実績を残しているペイトリオッツのQBマック・ジョーンズ(ペイトリオッツ)。昨年のNFLオフェンス・ルーキー・オブ・ザ・イヤーで、次世代のスターQB、ジャスティン・ハーバート(チャージャーズ)。フレッシュな対決は、ミスをしないジョーンズが制した。

この試合の2人のパス成績はとても興味深い。
ともに35回投げて18回成功、成功率は51.4%と同じだった。パスヤーデージは、ジョーンズが217ヤード、ハーバートが223ヤードとほとんど変わらない。
ただ、ジョーンズがTD、INTともにゼロだったのに対して、ハーバートは2TD・2INTだった。

その中で痛恨だったのが、第4Qに喫した1本だ。TEジャレッド・クックを狙ったパスをSエイドリアン・フィリップスが奪い、そのままリターンTDした。ハーバートとタイミングが合っていなかったクックは、パスがINTされたことに気づかず、パシュートが遅れたのも痛かった。エクストラポイントでは、本戦でTDを決めていなかったジョーンズが2ポイントコンバージョンのTDパスを綺麗に決めたのも皮肉だった。

ペイトリオッツはチャージャーズを得意にしており、これで6連勝。僅差の戦いが、予冷調和のような結果に思えてしまうのは、ビル・ベリチックの名将たるゆえんかもしれない。
◇ペイトリオッツ27チャージャーズ24◆QBハーバートのパスをペイトリオッツSフィリップスがインターセプト、そのままリターンTD=photo by Getty Images
◇セインツ36バッカニアーズ27◆
スーパーボウル王者のバッカニアーズが今季2敗目。QBトム・ブレイディは、この日も好調だった。前半2回のターンオーバー(インターセプト1回、ファンブルロスト1回)を喫したとはいえ、後半は4回のオフェンスシリーズの内、3本のTDパスを決めていた。パスは350ヤードを超えた。
 27-29で回ってきた、第4Q残り1分41秒からのオフェンス。「GOAT」ブレイディが数えきれないほど記録してきた逆転劇が、また増えると、スタジアムの誰もが考えていたに違いない。
 しかし、2ndダウンでブレイディが投げたパスをP.J.ウィリアムズがインターセプト、そのままリターンTDした。エクストラポイントも決まり、差は9点。勝負はついた。
 ブレイディはパス375ヤード4TDで、1試合4TD以上が38ゲーム目となり、ドリュー・ブリーズを抜いて単独でNFL最多となった。しかし敗れてしまえば、元も子もない。
ショーン・ペイトンがヘッドコーチ(HC)になった2006年以降のセインツとの対戦成績は2勝4敗で、この期間(最低3試合)の対戦成績としては、最も苦手なチームとなった。
セインツは、QBジェイミース・ウィンストンに変えて、第2Qからトレーバー・シーミアンを投入。シーミアンは冷静にオフェンスをコーディネートしゲームを作った。
かってブロンコスでエースQBだったこともあるシーミアンは「幸運なことに、良いスタッフに恵まれ、準備を怠らず、試合に臨むことができた。このリーグのすべての選手には浮き沈みがある。私もそうだった。私のキャリアは決して直線的なものではなかった」と、試合を振り返っていた。

◇ラムズ38テキサンズ22◆
 ここまで6試合で207点、1試合平均34.5点を奪っているラムズオフェンスが、この日も快調だった。第1Q9分にQBマシュー・スタフォードからRBダレル・ヘンダーソンにTDパスが決まって先制。これを皮切りにラムズオフェンスが次々に得点を重ね、第3Q終了時に、38-0として試合を決めた。
 テキサンズは第4Q残り8分から3本のTDを重ねたが、文字通り焼け石に水だった。
ラムズは、開幕から8試合連続で20点得点以上、これは過去20シーズンで2回目。マシュー・スタッフォードは、パス305ヤード・5TDで今季22TDパス。1950年以降のラムズのQBが開幕から8試合で記録したTDパスとしては、ジム・エヴェレットが記録した19を抜き最多となった。
ラムズは7勝1敗でNFC西地区でカーディナルスと並んで首位となった。
◇ラムズ38テキサンズ22◆好調ラムズオフェンスをけん引するQBスタフォード=photo by Getty Images=photo by Getty Images
◇カウボーイズ20バイキングス16◆
エースQBダック・プレスコットが負傷のため、控えのクーパー・ラッシュがキャリア初先発したカウボーイズ。試合の大半を通じて、バイキングスを追いかける展開となった。
ラッシュは、第2Q冒頭にINTを喫するなど、パスの精度が悪く前半は104ヤードにとどまったが、後半から調子を上げた。第4Q残り2分51秒からのオフェンスでは、ファンブルロストしたプレーがバイキングスの反則に取り消される幸運もあって前進。残り51秒でWRアマリ・クーパーに逆転のTDパスをヒットして、勝利を決めた。
 1996年以降、NFCチャンピオンシップゲームに進出していないNFCの3チームのうちの1チーム(残り2チームはワシントン、ライオンズ)のカウボーイズ。大黒柱プレスコットの不在時でも控えQBでしっかり勝って7勝1敗となったのは大きい。
◇カウボーイズ20バイキングス16◆第4Q、QBラッシュからの逆転TDパスをキャッチするカウボーイズのWRクーパー=photo by Getty Images
◇ビルズ26ドルフィンズ11◆
ランとパスの双方で決定力を持つビルズQBジョシュ・アレンが、チームをけん引した。前半はパス80ヤードと不調だったが、後半は調子を上げて169ヤード2TD。ランでもこの試合55ヤード1TDで、チームの全TDに絡んだ。アレンは2018年にルーキーとして入団以降、パスとランの双方で1TD以上を記録したのは19試合目で、チームは19戦全勝。
アレンにけん引されたビルズオフェンスは、23試合連続でファーストダウン更新20回以上を続けている。また直近で勝利した12勝すべてで、対戦相手に10点以上の差をつけている。

◇パンサーズ19ファルコンズ13◆
3連勝後4連敗のパンサーズが、地区内ライバルのファルコンズに競り勝った。パンサーズは、ルーキーRBチューバー・ハバードの82ヤードを筆頭に、チームラン203ヤードでタイムオブポゼッションでも10分以上、ファルコンズを上回った。

◇イーグルス44ライオンズ6◆
イーグルスがアウェーゲームとしては1981年以来の大差での勝利となった。QBジェイレン・ハーツの71ヤードを筆頭に3選手がラン50ヤードを記録するなど、チームラン236ヤード4TDで、ライオンズディフェンスを圧倒した。
ライオンズは泥沼の8連敗。QBジャレッド・ゴフは奮闘もむなしく、被サック5で45ヤードをロスした。
◇イーグルス44ライオンズ6◆ライオンズQBゴフは5回QBサックされ、お手上げ状態となった=photo by Getty Images

◇タイタンズ34コルツ31◆
タイタンズが延長オーバータイムの熱戦を、Kランディ・ブロックの44ヤードFGで制した。RBデリック・ヘンリーだが、33試合連続でラン50ヤード以上を記録した。1950年以降では、NFLで2番目に長い。最長はプリースト・ホームズ(チーフスなど)の38試合連続という。ヘンリーは負傷していたことが試合後明らかになった。


◇タイタンズ34コルツ31◆OTの勝利を喜ぶ、タイタンズのシモンズ(#98)とジョーンズ(#60)=photo by Getty Images
◇49ers33ベアーズ22◆
49ERSはQBジミーガロポロがパス300ヤード以上の試合では7勝0敗という。WRディーボ・サミュエルはここまで7試合でパスレシーブ819ヤード、開幕7試合でのチームレコードを更新した。これまでの記録は、伝説のWRジェリー・ライスが持っていた。

◇シーホークス31ジャガーズ7◆
ジャガーズは、2018年以降13勝42敗。同じ期間ではNFLでワーストの成績という。ジャガースディフェンスは25試合連続で20点以上失点している。

◇ブロンコス17ワシントン10◆
ディフェンスの戦いは、ブロンコスが制した。ブロンコスは5回、ワシントンは4回、相手QBをサックした。ブロンコスは、今季の4勝はすべて相手を13点以下に封じている。

◇スティーラーズ15ブラウンズ10◆
スティーラーズのQBベン・ロスリスバーガーは、ブラウンズ戦に圧倒的に強い。レギュラーシーズンの対ブラウンズ戦は24勝2敗1分けという。

ハロウィーンの仮装で、恐竜の着ぐるみが可愛いらしいチアリーダー=photo by Getty Images

【小座野容斉】

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