アメリカンフットボールのXリーグは、11月23日、「X1エリア」最終節の残り2試合が、富士通スタジアム川崎で開催された。警視庁イーグルス対名古屋サイクロンズの一戦は、名古屋が警視庁の終盤の反撃をかわして今季初勝利(1勝5敗、勝ち点3)を飾った。警視庁は4勝2敗・勝ち点12となった。
この結果、トップリーグの「X1スーパー」にはディアーズフットボールクラブ(4勝2敗・勝ち点12)が昇格することになった。警視庁とディアーズは勝ち点では並んでいるが、対戦相手の勝ち点合計でディアーズが上回ったため。
X1スーパーは、現状の8チームが、来季から12チームに拡大するため、今季のみ特例でX1エリアの上位4チームが自動昇格する。アサヒビールシルバースターと、アサヒ飲料チャレンジャーズ、イコールワン福岡SUNSが昇格を決め、残りは1枠だった。
ディアーズは公式HPで、高野元秀ヘッドコーチのコメントを掲載した。
「今シーズンは理想としていたチーム作りには程遠く、決して満足いくシーズンではありませんでしたが、 結果的にX1Superに昇格できたことはありがたく思っております。
コロナ禍での厳しいこの2年間のシーズンでしたが、選手・コーチ・スタッフはもちろんのこと、 チームに関わっていただいた全ての関係者の努力があって辿り着いた道ですので、尽力いただいた方々に心より感謝いたします。」
「今シーズンの結果を振り返ると、大きなことは言えませんが、ディアーズは1989年のチーム創設当初から常に目標は『日本一』です。
この3年間はその権利さえも失っていたシーズンとなりましたが、来シーズンはその大きな目標に向かって自分達で結果を出せるシーズンとなります。若手とベテラン選手。チームが一体となって新たなシーズンを迎えたいと思っております。」

名古屋サイクロンズ○14-11●警視庁イーグルス (2021年11月23日、富士通スタジアム川崎) 名古屋がラン中心のオフェンスににスペシャルプレーを組み合わせて2タッチダウン(TD)を挙げ、警視庁に快勝した。第1Q5分、QB兵頭駿介からWR高木優太朗にパスが決まり先制TD。警視庁は第2QにK山口達也のフィールドゴール(FG)で追い上げたが、名古屋は第4QにQBからバックワードパスを受けたWR坂本アントニーマウネディがWR藤田陸にスペシャルプレーのパスを決めてTD。警視庁を突き放した。
追う警視庁は、第4QにQB斎藤詩伸がWR桑原陸にTDパス。さらに斎藤は2ポイントコンバージョンを決めて3点差とした。引き分けで昇格できる警視庁は、残り1分6秒からのオフェンスにすべてを託したが、斎藤のパスが失敗。あと一歩及ばず、涙をのんだ。