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2021-12-17

【しゅりんぷ池田のカード春秋】「近鉄戦士」復活

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No.108 坂口智隆

 BBMカードの最高級版シリーズ「GENESIS」。1パックにカードが5枚のみで600円もするプレミアムカードですので、通常のレギュラーカードも大きく箔押しが施された豪華仕様となっています。登場するのは各球団9人ずつと、主力中の主力しかカード化されていません。

 2020年に発売されたリストを見ると、ヤクルトの9人の中に坂口智隆の名前があります。同選手は2019年の開幕早々に死球を受け左手親指を骨折。復帰後も精彩を欠き、6月途中からは二軍暮らしが続き、一軍出場は22試合に留まりました。「近鉄戦士」も、いよいよ追い込まれたなと、そのキャリアを危ぶんだものですが2020年は普通にレギュラーに返り咲き、規定打席にも到達しています。

 しかし、ヤクルトはチームの最多安打打者こそ20歳の村上宗隆ながら同2位は38歳の青木宣親、同3位は36歳の坂口なのですから、若手野手が育ってないこと、この上ないですね。話を戻すと、不思議なことに坂口はプロ18年目にして初となる2ケタ本塁打を目前にしています(2020年10月15日現在)。これまでのキャリアハイはオリックス時代の09、10年の5本ですから、どうかしています。

 2020年7月には08年7月以来となる先頭打者本塁打も放って、この「12年ぶり」というブランクは山内一弘が毎日時代の53年に打ち、阪神に移籍後の65年に再度打ったのに並ぶ最長ブランクという不思議な記録もマークしていたのでした。こうして、「近鉄戦士」は来季も現役を継続できそうですが、ベテランを追い落とすような若手の台頭にも期待したいですね。
(週刊ベースボール2020年11月2日号 掲載記事再編)


BBMベースボールカード プレミアム2020 GENESIS 108 坂口智隆(S)

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