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2022-01-19

【陸上】2022年はオレの番、舟津彰馬がニューイヤー1区を制し鮮烈アピール「今季1500mの日本記録を」

舟津彰馬(九電工)がニューイヤー駅伝1区で区間賞獲得

正月に行われたニューイヤー駅伝(全日本実業団対抗駅伝)の1区で、舟津彰馬(九電工)が激戦を制し、区間賞を獲得した。中大時代に1500mでいち早く3分40秒の壁を破っていた舟津。活況の同期のミドル組に鮮烈アピールした。

トラックと変わらない高度な駆け引き

1500mが専門種目の舟津彰馬(九電工)がニューイヤー駅伝1区(12.3km)を制した。森山真伍(YKK)が11.7kmでスパートしたが、11.9kmで舟津が前に出て残り400mを押し切った。

「スパートで大事なことは後続に一気に差をつけることです。行けるところまで行き、そこからは我慢比べです」

勝負を仕掛けたとき「一番怖かったのは松枝さん(博輝、富士通)」だった。東京オリンピック5000m代表で、1500mでも舟津と同じ3分38秒台を持つスピードランナーだ。

「最後は直感で行きました。松枝さんの表情や位置取りを見て、かなり消耗しているのかな、と感じていましたし、(森山を)そのまま行かせるわけにはいきませんでした」

ニューイヤー駅伝1区は、トラックと変わらない高度な駆け引きが展開されていたのだ。

日本記録(3分35秒42)保持者の河村一輝(トーエネック)こそ2区だったが、今年の1区は1500mで3分30秒台の記録を持つ選手が多数出場した。前述のように3分38秒台を松枝と舟津が、3分39秒台を的野遼大(三菱重工)、森田佳祐(小森コーポレーション)、村山紘太(GMOインターネットグループ)、田中秀幸(トヨタ自動車)が持っていた。

そのうち村山、松枝、田中の3人は10000m27分台を持っていたし、的野もその力があると言われている。その中から区間賞選手が現れるのではないか、と思われていた。実際、前回は松枝が取っている。

だが舟津も、「箱根駅伝の20km以上は得意にはできませんでしたが、10kmくらいなら学生時代から10000mの28分台も出しましたし、苦手意識はありません」と自信を持って臨んでいた。

それでもトラックの1500mでの対決とは、また少し違ったプレッシャーも感じていた。

「レーススタイルや力を分かっているからこそ、胃がキリキリしました。やはりラストを持っている選手は怖かったです。チームに勢いを付ける区間ですから緊張しましたね。だからこそ、距離は違ってもトラックの戦いにつながると思います」

1500mでは今季、日本記録を目標にしていく。昨年5月に荒井七海(Honda)が3分37秒05と17年ぶりに日本記録を更新すると、7月には河村が3分35秒42と、3分36秒台を跳び越えて3分35秒台に到達した。

それでも舟津は「遠くに行かれてしまった感覚はありません」ときっぱり言う。河村、舟津、館澤亨次(DeNA)、田母神一喜(阿見AC)と、実業団2年目に1500mで活躍する選手が多いが、最初(18年4月)に3分40秒を切って衝撃を与えたのが舟津だった。

それが刺激となって、この学年の選手たちが活性化した。

「自分が3分38秒を出したときも、“オレも出せる”とみんな思って頑張り出した。その共通認識で戦っています。3分35秒台を出せないと思ったら河村に失礼です」

22年は自分の番だと、舟津がニューイヤー駅伝1区で強烈にアピールした。

ふなつ・しょうま●1997年9月25日、福岡県生まれ。野間中→福岡大附大濠高(福岡)→中大→九電工。自己ベストは1500m3分38秒65(2018年)、5000m13分48秒83(21年)、10000m28分06秒56(20年)。中大2年時と3年時に箱根駅伝出走。昨年のニューイヤー駅伝の1区28位から、今年は1区区間賞を獲得。

文/寺田辰朗 写真/中野英聡

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