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2018-10-04

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adidas SolarBOOST Special Vol. 2 市橋有里、ソーラーシリーズを履き分ける

アディダスが初マラソンを走るランナーのために開発したソーラーシリーズを愛用している市橋有里さん。ソーラーブーストとソーラーグライド特徴をとらえて履き分ける。アスリートの感性によるシューズの微妙な違いが興味深い。聞き手/樋口幸也 写真/阿部卓功

ゆっくり長い距離はソーラーブースト、
少し早く走るときはソーラーグライドです

――ソーラーブーストはすでに履いているのですね。

市橋 はい。ソーラーブーストも、ソーラーグライドも、どちらも履いています。

――どんな感じで履いていますか。

市橋 どちらも初心者用のシューズなので、私は今、このシューズにレベルがちょうどいいんですよ(笑)。そのなかでも使い分けるのは、ソーラーグライドのほうがスピードを出しやすいかな。また、夏の暑い時期はそんなに距離を踏むわけではないから、どちらかというとコンパクトの練習の方が多かったです。そういうときは、ソーラーグライドを履いていました。涼しくなって距離を踏むときにはソーラーブースト。そういう使い分けをしています。

――ソーラーブーストのほうが、長い距離を走るときにいいのですね。

市橋 はい。走り込み的な使い方をしています。

――ソーラーシリーズができるまでは、何を履いていたのでしょうか。

市橋 ウルトラブーストでした。あのフィット感がしっくりきたんです。ブーストのシリーズのなかでも一番好きですね。初代から愛用していましたが、今のウルトラブーストも気に入っています。速いペースで走るわけではないし、スピード練習をするわけでもないので、ちょうど、ウルトラブーストがいいんです。

――ウルトラブーストとソーラーブーストの違いをお聞かせください。

市橋 ソーラーブーストにはクッション性があります。糸でできているサイドパネルが特徴的で、しっかりホールドされます。ウルトラブーストにもサイドパネルがありますが、感覚はずいぶん違います。ウルトラブーストは前足部のアッパーが柔らかいので足が中で動きます。それが、もともと大きめのシューズを履く人なので、慣れているのですが、ソーラーブーストは前足部がしっかりしていて、すごく守られている感があります。

――ウルトラブーストはニットなので、そういう感覚はありますね。

市橋 膝に不安があるという人は、着地が安定するので、ソーラーブーストのほうがいいと思います。ソーラーブーストのほうが、ウルトラブーストに比較するとぐらつきにくいですね。いま、初心者を指導することが多いので、そういうランナーにすすめています。

――今は、キロ何分ペースくらいでジョギングしているのですか。

市橋 聞きますか、それ(笑)。速くても5分くらいですね。少し前に2㎞のレースのようなものに出て、そのときには4分台で走って、最後は3分台まで上げたのですが、その練習はソーラーグライドでしました。

――ソーラーグライドのほうがスピードを出しやすいのですね。

市橋 履き比べた感覚では、ソーラーグライドはスピードが出しやすかったです。スピードを出そうとしたときにスピードを出しやすい。ソーラーブーストはしっかり守られている感はあるのです。微妙な違いです。走っていない人からしたら、何が違うのと思うかもしれませんが、ある程度走っている人なら、違いがわかると思います。

――走り心地は…。

市橋 ソーラーブーストは、反発力があると思います。サイドのレールの部分が長くて、力が返ってくる感覚があります。

――増田明美さんも同じことを言っていました。前にいく感覚がありますと。

市橋 床に置いたときにつま先が上がっているじゃないですか。それも要因かもしれません。サイドレールのために着地の安定感があって、ブレずにまっすぐ進むから、より前に進む感じがあります。横の無駄な動きがないので、まっすぐ前にいくのだと思います。増田さんもおっしゃっていたんですね。

――はい。

市橋 ランニングシューズで踵が合わないという人がいるじゃないですか。踵とかアキレス腱の部分が。そういう人には、ヒールカップが左右に分かれているのはいいと思いますよ。

――現役のときにはソールが薄いシューズを履いていましたよね。あのころは、シューズにどういうことを求めていましたか。

市橋 一番は軽さで、足が痛くならないギリギリの厚さでしたね。この前、実家に帰ったときにオリンピックのときに木型をとって作ってもらったシューズを見つけたのですが、すごく薄い。今は、怖くて履けないですね。前足部もこれくらい(親指と人差し指で1㎝くらいを示す)でした。

――それは、鍛えた人だからこそ履ける。

市橋 筋力がない人は、クッション性や安定性のあるシューズでないと、脚を壊してしまうと思います。あのときだから履けたと思います。

――ビギナーはどのようなシューズを履いたらいいのでしょうか。

市橋 初心者はとにかくこういうソールの厚いシューズです。かっこよさで選んでしまうとか、デザインで選ぶ人もいるのですが、まずは、ソールの安定性、クッション性を考えてほしいと思います。筋力がないと、前に進みにくいだけではなくて、横にもぶれやすいのです。底の面積が大きいのでソーラーシリーズには安定感があります。それが着地の安定感につながっているのだと思います。あと、シュータン(ベロ)の軟らかさが気持ちいいですね。いろいろな人に合わせやすいと思います。

――衝撃から脚を守るためですね。

市橋 ビギナーのなかには、減量目的で始める人も多いじゃないですか。ウエイトもあるので、着地の衝撃をしっかり吸収してくれるシューズを選んでほしいのです。アディダスのランベース(東京・平河町)では、アディダスの最新シューズを借りられるので、試してみるのもいいと思います。ソーラーブーストもランベースで借りられます。この前もセッションのときに参加者は借りていました。

――初心者は安全に楽に走れることが一番ですね。

市橋 そうですね。どこかに痛みが出たりすると、続けたくても続けられなくなりますからね。まずは、故障しないためのシューズで選びがすごく大事です。カラーバリエーションもありますから、自分の好きなデザインを選ぶ楽しみもあります。ケガをしないのが一番。走ること自体が楽しいというのは、ある程度走れるようになってからです。それまでに故障してしまうと、楽しさを知らないまま走らなくなってしまいます。

――フィット感はどうですか。両方ともサイドパネルがついています。

市橋 サイドパネルがいいですね。このサイドパネルは、海岸や海沿いの地域で回収されたプラスチックボトルをアップサイクルして作った糸でできているそうです。アディダスが目指すサスティナビリティを形にしています。私たちが走ることを楽しめるのは、安定した地球環境があってこそです。このシューズはそんなことも意識させてくれます。包み込むような感じで脚がブレない。それが推進力になって、前に進む力に変わっているのかなと思います。サイドパネルによって甲が高い人も低い人も、うまく調節できる感じがあります。私のように足が細い人でも、サイドのホールド感があるので調整しやすく安定します。

――ありがとうございました。

いちはし・あり
1977年11月生まれ、徳島県出身。中学卒業とともに上京し、本格的にトレーニングを始める。1997年、19歳で出場した名古屋国際女子マラソンで4位。98年の東京国際女子マラソンで2位、99年の世界陸上で銀メダルを獲得し、シドニー五輪の代表に選出された。

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