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2022-03-03

【ボクシング】村田諒太VSゴロフキン戦が正式発表 4月9日にさいたまスーパーアリーナで

ゴロフキンの写真を背に拳を突き出す。村田自身にとって、あるいは日本のボクシングにとって大事な戦いは40日後に迫っている

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 WBA世界ミドル級スーパーチャンピオンの村田諒太(帝拳)は3日、東京都内のホテルで会見を開き、IBF世界同級チャンピオン、ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)との統一戦を4月9日、さいたまスーパーアリーナで開催すると正式に発表した。日本ボクシング史上最大規模となるこのカードは昨年12月29日に決定していたが、オミクロン株の水際対策の影響で延期となっていた。村田は「延期期間の間により実戦感覚を養えた」と自信を見せた。なお、試合はアマゾンPrime Videoで独占ライブ配信される。

 やっとこの日がやってきた。巷間、ミラクル級のビッグマッチは4月中にリセットされたと噂されてきた。そして今回、3月1日をもって入国規制が緩められることになり、満を持しての正式な試合発表となった。11月に当初の予定が発表されたとき、村田の表情ははちきれんばかりの期待感に輝いていたが、今回はすでに戦いに臨場する戦士のそれに見えた。

 村田は「(ゴロフキン戦を)実現するために、周囲の人々がどれだけの努力してきたか」を目の当たりにして、決して軽々には口にできないと前置きしながらも、この延期がプラスになったと語る。

「延期の期間に自分を高められたと思います。年末ということになると、(2年間、試合から遠ざかったこともあり)実戦感覚という面でわずかに不安もありましたが、それから十分なスパーリングもしてきて、その点でも今は問題ありません」

 延期の報を受け、ひととき「ガックリした気持ちになった」のも確かだし、プラスされた準備期間がモチベーションをわずかでも揺るがせることもあった。それも、ハードなトレーニングに加え、メンタルケアの専門家のガイダンスによって、すべてがポジティブな方向にと向かい始めたという。この試合をプロモートする帝拳ジムの浜田剛史代表も「さまざまな想定のなかで練習を積み重ね、対応力がついていると思います」と語る。
会見の中で見せた村田の笑顔。これまで積んできた準備が生み出す自信にも見えた
会見の中で見せた村田の笑顔。これまで積んできた準備が生み出す自信にも見えた

 そして、あらためて問われたのは、対戦者としてのゴロフキンの印象。「まさしく強さの象徴だと思います。紳士でもある。リスペクトすべきボクサーです」。その選手に勝つことができれば、自己肯定感に存分に浸れると思う、と。そういう気持ちにさせてくれた「ゴロフキンに感謝しています」と村田は言う。勝負を度外視してではなく、尊敬すべきGGGに勝つことで、初めて『自己肯定感』は達成できる。そんな宣言にも聞こえた。

「ジムワークとフィジカル両面で積み上げてきました。体の負担はすごい。正直、4月に(試合が)実現していなければ、その先はもたないと思います」

 2010年代以降、史上稀なるハードパンチャーとして、ミドル級のトップに君臨してきたゴロフキンとの対戦。

「ミドル級で大きな試合を実現することの経済規模、大変さをあらためて実感しました。試合ができることに感謝します」

 すべての思いを果たす日まで、残りはぴったり40日。ときめきの日々は、村田のみならず、ファンも、また。

文◎宮崎正博

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