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2021-12-03

【ボクシング】村田諒太対ゴロフキンが延期に。大みそかの井岡一翔対アンカハスも…

ゴロフキン戦発表のときの村田。早くリングでもう一度、この笑顔が見たいもの

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 日本ボクシング界がありったけの希望を託したシナリオは、新型コロナウイルスの新株オミクロン株にいったん休止を余儀なくされた。29日、さいたまスーパーアリーナで開催予定だったWBA・IBF世界ミドル級王座統一戦、村田諒太(帝拳)対ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)、31日・大田区総合体育館のWBO・IBF世界スーパーフライ級王座統一戦、井岡一翔(志成)対ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)の2つのメガイベントが3日午後、相次いで延期・中止が発表された。

 ボクシングファンにとっては、とことんブラックなフライデーになってしまった。ともにファンのだれもが待ちわびたカードである。ボクシング界からは、これからの新しいファン層開拓に大きな望みがかけられてもいた。とくに村田対ゴロフキン戦は、日本でのユーザー数が2千万人にも迫るアマゾン・プライムビデオが初めてボクシング中継のプラットフォームとなってライブ配信されることになっていた(海外はDAZNが配信)。TBS系列で放映される井岡も10度目、4年連続と恒例行事になっている大みそか登場で、とくに今回のアンカハス戦は悲願の4団体統一の足がかりになる大事な一戦だった。

 ただ、オミクロン株の脅威の前に、延期の判断は致しかたなかった。南アフリカで発生の報告があって、わずか1週間ほどで世界20ヵ国以上で感染者が確認されている。日本政府は1ヵ月間をめどにした外国人の入国禁止処置を早々にとっており、ゴロフキン、アンカハスの両陣営の入国は現実的には難しい情勢だった。
アンカハスとの対戦が中止になった井岡
アンカハスとの対戦が中止になった井岡

 救いは2試合ともリスケジュールに前向きなことだ。村田対ゴロフキン戦をプロモートする帝拳ジム、井岡対アンカハスの志成ジムのリリースともほぼ同じ文言で「今後は関係各位と協議の上、感染状況等を見極めながら改めて開催日時を検討します。」としている。

 村田は自身のフェイスブックで、まずファンにゴロフキン戦が延期となったことを詫び、さらに政府の判断に理解を示した上で「今回の事は真に自分の人生を愛するための試練だと受け止めています」と記している。「あくまで『中止』でなく『延期』であること」とも報告している。ゴロフキンもSNSで「日本で試合ができないことに深く失望している。だが、健康と安全がなによりも大事。できるだけ早く、村田との対戦が実現できるよう、すでに前を見ている」とコメントしている。

 井岡も気持ちは同様だろう。

 いまだ未知数のオミクロン株の脅威は、できる限り早く収まってもらいたい。そして、歳末の夢が春先の希望になってくれることを期待したい。

写真◎山口高明、本間暁

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