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2022-03-22

【相撲編集部が選ぶ春場所10日目の一番】御嶽海、2敗目! 北勝富士に屈し大きく後退

両廻しを引きつけ前進した北勝富士が御嶽海を寄り切った

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北勝富士(寄り切り)御嶽海

優勝を争う平幕中位の力士も10日目から上位との対戦が組まれ始めた。6枚目の琴ノ若は筆頭の大栄翔を叩き込んで9勝目。7枚目の髙安は小結豊昇龍を慎重に寄り切って全勝を守った。

若隆景も関脇同士の対戦で阿炎を寄り切って1敗をキープ。優勝争いに絡む力士が負けず緊張感が漂う中、1敗の御嶽海が土俵に上がった。この日の対戦相手は学生時代からのライバルである北勝富士。

過去の対戦は御嶽海が12勝11敗とわずかにリードも、この1年は北勝富士の4勝1敗で、北勝富士は御嶽海戦になると目の色を変えて向かってくる。この日も食ってやろうと気合十分だった。

立ち合い、先に手をついて身構える北勝富士。頭から低く当たるとすぐに左で前廻しを取った。御嶽海の右ノド輪押しをこらえると、さらに右も浅く上手を取り、両廻しを引き付けて前進する。腰が伸びた御嶽海は完全にあきらめて、簡単に土俵を割って2敗目。優勝戦線から大きく後退となった。

「左がいいところを取れたので、出るしかないと思った。大関の馬力はすごいけど、出足を止めて自分の形に持っていくことができた」と振り返る北勝富士。

ライバルが大関に昇進して初の対戦だったが、「そこはあまり意識しなかったですね。学生時代からしのぎを削ってきたので、自分も頑張ろうって気にはなります」と語る。

また、この日は長男の1歳の誕生日だったそうで、「いい白星が取れてよかった」とニッコリ。星も5勝5敗の五分となり、「喜んでばかりもいられないので、この白星を明日につなげて、勝ち越せるように頑張ります」。波に乗っていけそうな勝ち星となった。

11日目は全勝の髙安と1敗の若隆景の対戦が組まれた。この結果次第では、御嶽海に自力優勝の可能性が復活する。終盤は髙安、琴ノ若とも対戦が組まれるだろう。まだ、新大関優勝をあきらめてはいけない。

文=山口亜土

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