WBC・WBO世界スーパーフェザー級王座統一戦12回戦は、4月30日(日本時間5月1日)、アメリカ・ネバダ州ラスベガスのMGMグランドガーデン・アリーナで行われ、WBOチャンピオンのシャクール・スティーブンソン(24歳=アメリカ)が、WBCのオスカル・バルデス(31歳=メキシコ)を大差判定で破り、タイトル統一に成功した。 発表されたスコアは117対110と118対109が2人。スティーブンソンがそれぞれ3ラウンド、2ラウンドを失ったことになっているが、これは単なる数字のあやでしかない。ともにフェザー級から2階級制覇した不敗の王者同士のこの対決。技巧に優るスティーブンソンの優位は動かないにしても、勇敢な強打者バルデスが意地を見せ、ヤマ場のひとつふたつはあるのではないかと期待されたカードだったが、ふたを開けてみれば、力の差そのままにワンサイドの展開がひたすら続いた。
バルデスはときおり、強引な右を振って攻撃でるが、クリーンヒットはなかった サウスポーのスティーブンソンは序盤からシャープな右ジャブ、左ストレートで、バルデスを寄せつけない。機を見て打ち込む左のボディショットが有効で、バルデスはこのパンチを打たれるたびにバックペダルを踏んだり、あるいは上体を折ってしまう。スティーブンソンはあっさりとペースを奪ってしまった。バルデスがさまざまな角度から練り上げてきたはずの対策は、スティーブンソンが作る距離、間合い、鋭いカウンターにずたずたに切り裂かれ、たまに強引な右を振って成果のない突進を繰り返すばかり。リオ五輪銀メダリストを脅かすことはできなかった。
6回にはスティーブンソンの右フックがタイムリーヒット。ロープに崩れるようにバランスを崩したメキシカンに、WBO王者は右フックをフォローしてダウンを奪う。ダメージはなかったろうが、これで勝負の行方はよりはっきりとした。
その後のスティーブンソンはあえて距離を近くにとって、打ちたいパンチを次々に投げ込む。ブロックを固めるバルデスにはもはや偶発的な一発にしか、勝機はなかった。
それでも頑張ってきたバルデスも11回にはあきらめの表情を見せ、12回は、天井近くの時計を2度も確認したスティーブンソンが、両手を挙げてリングを駆けまわるうちに試合終了。
「獲れるだけのタイトルを獲りたい」と勝者 試合後のインタビューを受けている途中に、恋人にプロポーズするなど、スティーブンソンはやりたい放題。
「獲れるだけのタイトルを獲りたい。ぼくはスーパースターなんだから」
その現在地がスーパースターなのかどうかは微妙ながら、スティーブンソン本人にそこまで言わせる才能の埋蔵量を、確認するためだけの戦いで終わってしまった感もある。18戦全勝9KO。
バルデスが31戦30勝(23KO)1敗。いいところなくなく敗れたが、最後まであきらめない気持ちだけは見ることができた。
文◎宮崎正博(WOWOWオンデマンド観戦)写真◎Getty Images