日頃のジョギングから、フルマラソンのような長距離にも対応できる、ナイキのベストセラーモデル「ナイキ エア ズーム ペガサス」の新作モデル、「
ナイキ エア ズーム ペガサス39」が登場した。
39年で培われた「信頼の1足」 ナイキの創業者フィル・ナイトが初めて日本を訪れ、同社の前身「ブルーリボン・スポーツ」創設への布石を打ったのが1962年。そこから、オレゴン大学陸上部のコーチであるビル・バウワーマンと、選手だったフィル・ナイトによって創設されたナイキは、今年でちょうど50年を迎えた。以来、アスリートのパフォーマンスを最大限に高めることを目標に、「アスリートの声を聞く」ことを大切に、さまざまなイノベーションを生み出してきた。現在、「ナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト%」「ナイキ ズームエックス ヴェイパーフライ ネクスト%」と、常識を覆す厚底レーシングシューズによってマラソン界を席巻しているのも、そうした現場の声を聞く姿勢が原動力となっている。
そのナイキの原点であるランニングシューズにおいて、最も長い歴史をもつモデルが「ペガサス」だ。「あらゆるランナーのためのシューズ」をコンセプトに、初代が登場したのは1983年。そこから、ランナーの意見を取り入れ、よい部分は受け継ぎ、変えるべきところは変え、一番の特徴であるスムーズな走り心地を向上させて、エリートから一般ランナーまで幅広い支持を集めてきた。
そしてこの春、その人気モデルのニューバージョンとなる「ナイキ エア ズーム ペガサス 39」が登場。39代目もまた、前モデルまでの良さを引き継ぎつつ、さらなる進化を遂げている。
エアバッグが前後2つに! まず変わらない点は、弾むような反発感と耐久性をもつミッドソール素材、ナイキ リアクト フォームを引き続き使用していること。また、ワッフル形状のアウトソールや、前モデル「38」で採用された、爪先部分にゆとりをもたせたデザインも引き継がれている。
一方で、大きな進化もある。「38」では前足部のみに採用していたズーム エア ユニットを、ヒール部分にも搭載したことだ。高いクッション性と反発性を生むエアバッグを、ソールの前部・後部と2カ所に配置することで、ペガサスの特徴である、着地から蹴りだしまでライド感が向上。加えて、アウトソールの屈曲溝を増やすことで、スムーズな体重移動をさらに促す構造となった。
アッパー部分も進化した。人気モデルらしく、あらゆる足の形状に合うよう、中足部のフィット感に着目。フライワイヤー テクノロジーとミッドフットのバンドを組み合わせ、包み込むような履き心地とシューズとの一体感を実現した。また、通常のメッシュよりも強く柔軟なエンジニアードメッシュを採用。一般ランナーからのフィードバックを基に、必要な箇所の通気性を確保しつつ耐久性もしっかりと高めた。
大迫傑選手も愛用 実際に足を入れると、前モデルからの変化でまず感じるのは、かかと部の安定感だ。ズーム エア ユニットの搭載で若干ソール幅が広くなったことで、ペガサスらしい軽快感を維持しながらも、アッパーのフィット感とともに、しっかりと足を支えてくれる安心感も高まった。
そして、そのかかと部のエアバッグの反発性は、シンプルにフラット着地を意識して走ると分かりやすく、10㎜のドロップ(かかと部と前足部とのソールの厚みの差)も相まって、足を前に置いていくだけで体重移動が促され、自然にスピードが上がっていく。シリアスランナーのトレーニング用としてはもちろん、安定感が高まったことでマラソンのような長距離にも対応できるし、フル完走レベルにも、少しペースを上げて軽快に走りたいときにお勧めだ。
2月に現役復帰を表明した男子マラソン前日本記録保持者の大迫傑もまた、愛用するジョグシューズとしてペガサスの名を挙げている。まさに、あらゆるランナーが、あらゆるシーンで履くことができる万能シューズ。39年の歴史が培ってきた「信頼の1足」で、軽やかに駆け抜けてみてほしい。
文=高橋幸司(ランニングマガジン・クリール)
トップ選手が「ペガサス39」を愛する理由相澤 晃選手(旭化成)「他の一般的なジョグシューズと比べると、ペガサスは反発をもらいやすく、スピードが出しやすいのが一番気に入っているポイントです。ジョグでも、最後に軽く流しで走るときや、スピードを上げたいときに最適です。『39』はエアがダブルになったせいなのか、弾む感じとクッション性も上がった印象で、すごく自分に合っていると感じています」
鈴木亜由子選手(日本郵政グループ)「ペガサスは、いろいろな練習の場面で使える、オールマイティなシューズだと思います。『39』は、アッパーのフィット感が増したと思います! 生地が柔らかく、足になじみやすくて、特に前足部のサイドのフィット感がいいです。今回は、かかと側にもエアが入っているので、かかとから接地するランナーにもいいかもしれません」