close

2022-07-13

【ボクシング】川崎真琴が引き分け防衛。丸木凌介の追い上げ許す

川崎の回り込みながらの左フック。これは再三ヒットした

全ての画像を見る
 12日、東京・後楽園ホールで行われた日本スーパーウェルター級タイトルマッチ10回戦は、チャンピオンの川崎真琴(38歳=RK蒲田)と挑戦者1位・丸木凌介(31歳=天熊丸木)が10回引き分け(95対95、95対95、95対95)。川崎は初防衛を果たした。

文_本間 暁 写真_馬場高志

 劣勢を覚悟していたのか、最終回、丸木は体ごとぶつけるようなスイングを繰り返した。しかし、川崎はこれを動いてかわし、空振りした丸木の体は何度も大きくバランスを崩した。そして終了ゴングが鳴ると、挑戦者は、ロープを思いきり叩いて悔しがった。

 だが、読み上げられた判定結果は、(あくまでも主観だが)意外なことにジャッジ三者ともドロー。「前回、チャンピオンになった試合は全部を出し切れたけれど、今日は守りに入ってしまった」と川崎は反省の弁。5回終了時の公開採点は48対47、49対46が二者と、いずれも川崎がリードしていたが、その後の丸木の前進が評価されたということになる。
 たしかに、丸木の左ボディブローがヒットした場面もあったが、前半から通して川崎がいい距離をキープし、左ジャブ、左フックを要所で決め、主導権を握り続けていたように見たのだが……。
 下がるのが消極的、前に出るのが積極的、とは一概に言い難い。相手を呼び込む、相手をコントロールする戦い方もある。攻めているように見えて、誘い込まれているということもある。自身を消極的と評した川崎だが、タクトを握っていたのは彼だったように思える。

終盤、ようやくエンジンをかけた挑戦者・丸木の攻撃
終盤、ようやくエンジンをかけた挑戦者・丸木の攻撃

 川崎は軽打を重ね、時折、体を逃しながら大きな左フックを派手にヒット。丸木は距離が詰まれば左右フックをボディに集めた。が、丸木はアップライトで上体が立ち、打つ際にワンクッション置かなければ、パンチを繰り出せない。スタミナを浪費する形で、それを抑えるためか、特に前半は手数も少なかった。序盤にペースを握った川崎は、試合全般を通じて、出るところ、退くところのバランスもよかった。終盤の川崎の失速をあてこみ、前半は抑えるという丸木側の作戦だったかもしれないが、終わってみれば、前半のポイントロスは痛かった。

「自分は日本チャンピオンが限界だとわかっているので、少しでも長く防衛していきたい」という川崎の正直な意思表明は実に清々しい。23戦13勝(2KO)8敗2分。
 4度目の日本王座挑戦も実らなかった丸木は27戦18勝(13KO)7敗2分。

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事