7月にプロボクシング興行が再開してから東京都内で初めての有観客試合となったゲンコツ・立川立飛大会が9日、立川市のアリーナ立川立飛で開催。6試合が行われ、メインイベント8回戦では日本ミニマム級3位の佐宗緋月(T&T)と高田勇仁(ライオンズ)が熱戦の末、引き分けた。
写真上=806人の観客が入ったアリーナ立川立飛
無観客試合や入場制限など、新型コロナウイルス感染予防対策を徹底するプロボクシング。興行の再開以来、都内開催で初めて観客を入れたこの日も、会場入口ですべての入場者に体温測定を義務付け、館内では飲食を禁じるなど万全な注意が払われた。3200人収容のアリーナには806人の観客が来場、禁じられた声援の代わりに熱い拍手を選手に送った。
佐宗(左)と高田の右が相打ち。メインでは激しい打撃戦が繰り広げられた
メインではミニマム級で初のランク入りを目指す高田が、スタートから思い切ったワンツーで上位ランカー佐宗に迫り、2回には強烈な右でダウンを奪ってみせる。完全に足にきた佐宗は、さらにホールディングで減点1と大きなビハインドを負ったが、ここで高田は詰め切れず。中盤からは佐宗が的確なジャブで立て直し、大きな右も決めてポイントを挽回。最終回にはボディに集中打を浴びせ、高田をダウン寸前まで追い詰めた。ジャッジ3氏の判定は77対74で高田、75対74で佐宗と割れ、残る一人は75対75。佐宗が終盤の追い込みで、辛くも黒星を免れた。
齋藤(左)の右が橋本を襲う
セミファイナル6回戦には、主催の石川ジム立川期待の昨年度全日本ライト級新人王・齋藤眞之助が出場。これが13年9ヵ月ぶりの試合となる橋本祐二(折尾)に3-0の判定勝ちを飾った。打ち終わりを狙って左で飛び込んでくるサウスポーの橋本に、立ち上がりは慎重だった齋藤だが、堅さがほぐれてくると、トリッキーな動きから右を次々にヒット。最終回には連打で橋本の腰を落とさせた。
赤い髪がトレードマークの齋藤はこれで4連勝。声援の代わりに送られた盛大な拍手は「表彰されているみたいで、新鮮でした」と笑顔を見せた。コロナ過の中、苦労してこの日の興行にこぎつけた石川久美子会長は、スポーツに力を入れる立川市で多くの理解と協力を得られたことに感謝。来年5月8日にも、アリーナ立川立飛で興行を予定している。
文◎藤木邦昭
写真◎本間 暁
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