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2022-08-30

【BBMカードコラム(#2022-12)2022BBMベースボールカード 東京ヤクルトスワローズヒストリー1950-2022】スワローズの球団記録を展望する

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BBMカードの編集担当が自ら手がけたアイテムに込めた思いをお伝えする連載企画。
今回は「2022BBMベースボールカード 東京ヤクルトスワローズヒストリー1950-2022」です。



球団記録を大きく塗り替えるのは、あの怪童?
 これまでリリースしてきたヒストリーシリーズでも毎回作ってきたインサートカードの「球団記録」。球団の歴史の中で活躍してきた選手をバランスよくピックアップするにはうってつけの指標なのですが、巨人における王貞治のように、どの部門を取ってもある選手が軒並み1位ということもままあります(今回のスワローズでいうと投手部門では金田正一が「登板」「勝利」「奪三振」でいずれも歴代1位)。

 そういう場合は2、3位の選手を当てたりしているのですが、今回のスワローズの打撃部門は「試合」宮本慎也、「安打」若松勉、「本塁打」池山隆寛、「打点」古田敦也、「盗塁」飯田哲也、「打率」青木宣親と全部門で違う選手が1位という逆に珍しいことになっています(カード裏面の記録は21年シーズン終了時点。今季、青木が大きく打率を下げ、8月29日時点<以下同じ>では若松が再逆転しています)。

 現役選手ながら高位にランクインしているのが山田哲人で本塁打、盗塁でともに歴代3位に顔を出しています。今季は極度の打撃不振に苦しんでいるものの、今年で30歳と若く、まだまだランキングを上げそうです。本塁打は268まで伸ばしていますが、早ければ来年にも300号に到達し、池山の球団記録304を抜いてトップに躍り出るのではないでしょうか。盗塁王に3度輝く山田も20年以降は1ケタ盗塁で今季もまだ9個で通算189盗塁。しかし、首位・飯田との差はわずかで、毎年5個ずつのペースでも10年続ければ上回ることができます。

TR3 池山隆寛(裏面)
TR3 池山隆寛(裏面)

TR5 飯田哲也(裏面)
TR5 飯田哲也(裏面)


 このように近い将来、各部門で歴代1位を独占しそうな山田ですが、それを上回る勢いで数字を伸ばしているのが今季令和初・史上最年少の三冠王を目指して驀進中の村上宗隆です。昨年までの本塁打104は78年のチーム初優勝にも貢献したマニエルと並んで歴代20位タイだったのですが、今季これまた史上最年少で150号を放ち、57年の本塁打王・佐藤孝夫を抜いて単独13位に浮上。今年同様のペースで打ち続けるとするなら、23年にも200号に到達しそうですが、そうなると大杉勝男の199本(※)を超えて歴代9位となります。このままのペースを維持するなら、あっという間に300本塁打にも到達し、先行する山田をも上回って球団最多本塁打打者となるかもしれません。

(※)大杉は東映・日拓・日本ハム時代に287本塁打していましたが、史上初の両リーグ200本塁打(後年、落合博満が達成)は惜しくも逸し、引退試合で「この(あと)1本をファンの皆様の夢の中で打たして頂きますれば、これにすぐる喜びはございません」という有名なスピーチをすることに。

 10年後のスワローズの球団記録のランキングが、どんなふうになっているのか、今から楽しみですね。村上が同球団に在籍し続ければ…という但し書きが付きますが。(しゅりんぷ池田)

No.87 村上宗隆
No.87 村上宗隆

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