WBO世界フライ級3位の中谷潤人(M.T)が17日、米ロサンゼルス合宿を終えて帰国。羽田空港で取材に応じた。4月4日に東京・後楽園ホールで予定されていた同級1位ジーメル・マグラモ(フィリピン)とのWBO世界フライ級王座決定戦は新型コロナウイルスの影響で延期されたが、気持ちを切らさず練習を続けていく。
写真上=無事に帰国し明日からの練習に意欲を見せた
3月1日に渡米した中谷が目のあたりにしたのは、アメリカ本土でも新型コロナが感染拡大していく光景だった。市街の飲食店は軒並み営業を中止、スーパーマーケットの品物もなくなる一方で、中谷をあずかるルディ・エルナンデス・トレーナーも「こんなの初めて」という状況に陥っていた。
当初は月末までの滞在も考えていたという中谷だが、通っていたメイウッドジムも休館を余儀なくされるに至り、帰国を決定。その帰国便も欠航となり、直行便をサンフランシスコ経由に変更したが、機内はガラガラだったという。
それでも現地では2週間で約70ラウンドのスパーリングを消化。今月28日にルイス・ネリとの対戦を予定していたスーパーバンタム級ホープ、アーロン・アラメダらを相手に充実したスパーを重ねてきた。
渡米を前に延期の可能性は聞いていたから「気持ちの切り替えを意識してきた」と中谷。新しい日程は未定だが、今後も実戦練習を中心に世界戦へ備えていく。「追い詰めすぎても体が持たない」と言いながらも、明日からはジムで練習を再開するという中谷に、気の緩みは微塵もない。
取材◉藤木邦昭