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2020-03-05

【ボクシング】またトップアマがプロへ。木村蓮太朗が会見

またしても、トップアマチュアからプロデビューだ。全国大会三冠の木村蓮太朗(22歳)が、地元・静岡県の駿河男児ジム(富士市)からプロデビュー。今週末7日に、東京の三迫ジムでプロテスト(B級=6回戦)を受験する。その後は6月にもデビュー戦を予定しているという。

上写真=左から前島会長、木村、高橋トレーナー

 アマチュアボクシングでトップを走っていた選手たちが、次々にプロボクシングの世界へ。松本圭佑、中垣龍汰朗(いずれも大橋)、但馬ミツロ(緑)らに続き、今度はこの木村だ。

大学でキャプテンを務めていただけあって、はきはきとしゃべり慣れている

 木村は静岡県函南町出身。小学2年で極真空手を始め、2013年に飛龍高校に進学すると“強豪”の誉れ高いボクシング部に入部。3年時に高校選抜フライ級で3位になるなどし、東洋大学に進学。1年で全日本選手権バンタム級優勝(2015年)し、2017年、19年に国体ライト級で優勝するなど、頭角を現した。
 が、優勝した昨年の国体の試合中に眼窩底骨折を負い、その後の日本代表を決める全日本選手権を辞退せざるをえなくなった。
 けれども、飛龍高でボクシングを始めると同時に、通い始めた駿河男児ジムからプロデビューする意識は以前から高く、この春に大学を卒業するタイミングで、プロ入りに踏み切った。

 東洋大といえば、昨年、悲願の関東大学リーグ初優勝を飾り、一躍名門校の仲間入りを果たした学校。木村は優勝時のキャプテンも務めるほどで、自己管理能力の高さにも期待できそう。

 アマチュア通算戦績は88戦72勝(26KO・RSC)16敗。スタイルは左ボクサーファイターだ。
同ジムの前島正晃会長は、「蓮太朗と出会って7年。彼を世界チャンピオンにすることが私の使命だと思ってきました。彼を静岡から世界チャンピオンにし、この街で試合をすれば、全国からたくさんの人が集まって、地域経済にも貢献できるはず」と、地域密着に尽力してきた人らしいコメントだ。

これまで雑草ボクサーを何人も育ててきた高橋トレーナー。木村を本当に強いボクサーに育てる。そこに大きな期待がかかる

 なお、木村を指導するトレーナーは、昨年でワタナベジムを辞し、家族が住む御殿場市に帰った高橋智明氏が担当する。高橋氏は、WBA世界スーパーフライ級チャンピオン河野公平らを育て、2015年度エディ・タウンゼント賞を受賞している名コーチ。人柄もかねてから好評で、若い有望な選手が増えてきた同ジムは「いい人材を得た」と評判だ。
 その高橋氏曰く、「木村は上下に連打を打ち分けられるし、カウンターも上手い。気の強さもあるし、マスクも良いので人気が出るはず(笑)」。
 木村本人は、「試合、入場、会見。どんなときでもカッコいいと思われる選手になりたい。もちろん世界チャンピオンに。3年以内になりたいと思います」と語った。

 前島会長によれば、提携を結ぶ東京の名門・三迫ジムにも積極的に出稽古に行かせ、両ジムの力で世界に向かっていきたいという。デビュー戦も、三迫ジムが主催する『ダイヤモンドグローブ』で、東京・後楽園ホールで行うことで調整中だという。

写真提供_駿河男児ボクシングジム

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