東洋太平洋ウェルター級王座決定戦は27日、東京・後楽園ホールで行われ、注目の強打者クドゥラ金子(本多)は、長濱陸(角海老宝石)のスピーディーな連打に屈し、3−0判定負けで王座獲得はならなかった。
上写真=クドゥラ(左)の単発の強打を、長濱は何倍もの連打で打ち払った
デビュー以来11連勝、ここ最近の4連続を含む8KO勝ち。アフガニスタン出身のクドゥラのパンチはやはり強烈だった。一度は決定機を作った右ストレートはもちろん、試合全般にわたって、1009人の観客をどよめかせた風を切る左フック、そして機をみて突き上げる右のアッパーカット。ただ、惜しむらくは整合性はなかった。展開の切れ切れにポツリポツリと鮮やかにヒットしても、その先につながらない。右ストレートで作ったその決定機、5ラウンドの大チャンスも、足もとがおぼつかない長濱を追撃したおよそ30発のうち、クリーンヒットはほんの数発。あとはやみくもな連打に見えた。
そうさせたのも 長濱の力にある。しっかりとした準備、日本タイトル挑戦を含め、2度もTKOで黒星を喫して身につけた経験、さらに「負けたら、これでボクシングは終わり」という強い覚悟だった。
初回から、スピードに乗ったジャブを飛ばす。右ストレートをボディ、顔面と上下に見栄えよく散らしていく。待ちの構えでスタートを切ったクドゥラはまたたく間に長濱のハイペースに巻き込まれていく。2ラウンド終盤に、クドゥラはワンツーで長濱の足をばたつかせるなど、強打のパフォーマンスの片りんも見せたのだが、流れを断ち切ることはできなかった。
3ラウンド、長濱が放った左のボディフックが効いたか、クドゥラの攻めはいよいよ単調になっていく。ジャブの角度を読まれて、クロスを見せられ、打ち終わりの甘さにも付け込まれた。何発の右をまともに被弾したことか。懸命に打ち返していっても、その後に長濱の倍返しのパンチをスプレーされた。
「クドゥラくんはいつも同じ距離、同じ位置にいるので、ジャブから突き崩していきました」(長濱)
だから、余裕があった。クドゥラの猛攻にさらされた5ランドでも、しっかりとその後の展開を考えていた。
「きっとスタミナをなくすから、ここを乗り切れば、ペースを取り戻せる、と」
クロスレンジでの攻防が増えた6ラウンド以降も、長濱は短距離のパンチをまき散らし、手数で押し切っていく。
「そういう作戦だったわけではないけど、接近戦の練習はしっかりとしてきました」
明白なリードを保っていたとしても、クドゥラのパンチは強い。長濱は両目の周囲を中心に顔全体が腫れあがってくる。序盤のダッシュのつけもあってか、長濱自身もスタミナをロスしていったのは明らかだった。9ラウンド終盤にはクドゥラの豪打に守勢に回る。続く10ラウンドは、右のボディブローで動きを失い、強引な連打に追い込まれた。だが、クドゥラもここで力を使い果たした。
11ラウンド、12ラウンド、クドゥラの攻めに冴えが見えない。長濱は軽打で突っつき回して、ダメ押しのポイントを奪取した。
採点は117対111がふたり、残るひとりは118対110と大差をつけていた。
「弱い相手ではなく、強い選手に勝ってタイトルを手にしたのがうれしい。東洋太平洋チャンピオンといっても、ほかにもタイトルがあるし、まずは本当のアジア一を目指したいですね。もちろん、日本タイトルもです」
腫れを冷やしながらのインタビューでも、長濱は最後まで能弁だった。戦績は15戦12勝(4KO)2敗1分。このハイテンポの攻防に決定打が加われば、かなり面白い存在になる。
クドゥラのショックは大きかった。「話は全部、長濱に聞いて」と言ったきり、何もしゃべらず、さっさとドレッシングルームを後にした。何が悪くて、初めて負けることになったのか。その全景から考え直すことができれば、そのパンチングパワーは大きな可能性を残す。まだ21歳。今は強くなるための過程だと考えたい。
まさに傷だらけの勝利。長濱は難敵を破って初のタイトルにたどり着いた
文◎宮崎正博 写真◎小河原友信
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