close

2020-02-20

【ボクシング】中谷潤人が熱海キャンプ打ち上げ 強化した脚力で「世界」へ跳ぶ

4月4日、東京・後楽園ホールでWBO世界フライ級王座決定戦に臨む同級3位の中谷潤人(M.T)が20日、静岡県熱海市でのキャンプを打ち上げ。自慢の脚力に磨きをかけ、タイトル奪取へ自信を深めた。

写真上=急勾配の階段を一気に駆け上がる中谷

熱海の海岸でダッシュを繰り返す

 3泊4日の合宿の目的は、脚力とスタミナの強化。熊本道之トレーナーのもと、熱海の海岸と伊豆山神社の階段を徹底的に走り込んだ。この間、2日目には曾祖母の訃報を受け、三重で通夜と告別式に出席してきたが、最終日の朝からは気丈にトレーニングを再開した。

59キロの後輩をおんぶして200メートル歩行

 午後は砂浜で400メートルのダッシュ5本に始まり、後輩を背負っての200メートル歩行を挟んで、再び400メートルを3本と800メートルを3本。最後の長い3本は、インターバルも1分から30秒に縮められた。続いて休む間もなく車で伊豆山神社へ移動し、837段の階段ダッシュを5本。これだけのメニューを中谷は息も切らさず、安定したフォームと速度で駆け抜け、改めて非凡なフィジカルと耐久性を示した。

 練習後は伊豆山神社の向かいに建つ「ボクシングスクールフィスト」で会見。初の世界戦に向け、順調なコンディショニングを強調した。対戦相手の同級1位ジーメル・マグラモ(フィリピン)対策は「長い距離を保ち、なるべくもらわないことを意識したい」と、手数の多いファイターにガードの上からも打たせず、長いリーチと足をフル稼働して必勝を期す。

伊豆山神社の階段を背に勝利を誓う

 今夜は地元の相模原に帰ってからもジムで練習。今週からスパーリングも本格化させ、3月早々にも再びロサンゼルスへ向かう。今度の合宿は、日本での減量期間も踏まえて2週間を予定しているという。

 試合の翌日、4月5日は亡くなった曾祖母の四十九日にあたる。小学生の頃は一緒に暮らし、試合のたびに応援に来てくれていたひいおばあちゃんは「試合を見て、天国へ行ってくれるでしょう」と中谷。優しげな微笑に、覚悟をにじませた。

取材◉藤木邦昭

おすすめ記事

ボクシング・マガジン 2020年3月号

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事