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2020-02-15

井上尚弥&拓真が大和税務署広報大使に就任

WBAスーパー・IBF世界バンタム級チャンピオン井上尚弥(26歳)と弟で元WBC世界バンタム級暫定王者の拓真(24歳)が、地元・神奈川の大和税務署の広報大使に任命され、所属する大橋ジムでその就任式と、スマートフォンによる確定申告をPRした。

上写真=新たな“大役”を任命された尚弥(左)と拓真

説明を受けながら、左手でスマホを操作する尚弥

拓真は両手を使って、すらすらと入力

 香野義吉・大和税務署長から『e-Tax広報大使』の委嘱状と名刺を手渡され、スマートフォンによる確定申告をさっそく試してみた尚弥と拓真は、「わざわざ足を運ばなくても、忙しい合間に申告できるので便利」と口をそろえる。
 パソコンによる入力がスタートし、大混雑も解消されるかとおもいきや、そこもまた長蛇の列……というのが、毎年、全国の税務署の光景となっているが、家にいながら、片手でスマホを操りながらできるのは、時代にぴったりのスムーズさ。

和やかなムードの中、会見が行われた

 スマホでの申告をボクシングにたとえると?と訊かれたふたりは
「プロテストぐらい簡単」(尚弥)、「バンデージを巻くぐらいの簡単さ」(拓真)と言って爆笑を誘った。

 納税の季節になると、「自分がこれだけやって稼いだんだって実感します」と尚弥。これまでも、きっと破格の収入を得ているはずだが、4月から始まる“さらなる伝説への道”で、来年以降はまたケタ違いの収入、納税額になるに違いない。

 尚弥は4月25日(日本時間26日)、アメリカ・ネバダ州ラスベガスのマンダレイベイ・リゾート&カジノでWBO同級チャンピオン、ジョンリール・カシメロ(31歳=フィリピン)と世界バンタム級3団体統一戦。王座を手放した拓真は、5月ごろに復帰戦を予定している。

 2月2日から6日まで、グアムでの走り込みキャンプをこなしたふたりだが、尚弥は7日に開催された『2019年 年間優秀選手表彰式』で、最優秀選手賞と年間最高試合賞を受賞しながら、筋肉疲労による発熱のため欠席。「限界を超える走り込みをしたから」(尚弥)というのが原因だったが、1日しっかり寝て回復。その後はジムワークも普通にこなし、13日からはWBOスーパーバンタム級6位のアルバート・パガラ、同スーパーフライ級12位のKJ・カタラジャの両フィリピン人選手とスパーリングも開始している。

「ふたりとも、(ジョンリール・カシメロに)似た動きをしてくれるので。カシメロの得意なパンチを、どうよけてどう返していくかイメージしています」と、イメージと実戦のすり合わせに手応えを感じている様子。また、自身の動きも「限界を突破したので(笑)調子いいです」と、言葉のテンポも絶好調だった。
「いずれにしても、いつもと同じで、1ラウンド目にどう感じるか。いまは、そこで自分が対応できる体をつくることです」と、これまたいつもどおりのやり方で順調に進めている。

会見でも仲の良さを存分に見せてくれたふたり

 正式発表が待ち遠しい拓真の復帰戦だが、「絶対におもしろい試合になります」と本人も笑顔で語る相手。王座を奪われたノルディーヌ・ウバーリ(33歳=フランス)とノニト・ドネア(37歳=フィリピン)の対戦が決まり、拓真ももちろんその勝敗に興味がある。「判定ならウバーリ、倒すならドネアかな。ウバーリが勝って、リベンジをしたい気持ちはもちろんありますが、ドネアが勝って自分が戦うのもおもしろい。でも、そういった選手に絡んでいけるように(準備したい)」

 昨年11月のウバーリ戦は、最終回に逆転KOのチャンスをつくったが判定負け。「ああいう見せ場を序盤からつくっていければ勝てたと思う。冷静になりすぎたのが心残り」と振り返り、「いいパンチが当たって、相手が下がるか怯むかしたときに、一瞬見てしまう。その“間”を意識して、隙を突いていけるよう」というのが現在の課題。拓真も尚弥と同じく、パガラ、カタラジャとスパーリングを始めており、“間”の埋め方を意識して取り組んでいるという。

 尚弥のラスベガス入りに同行し、現地で外国人選手とスパーリングを重ね、復帰戦に向けての最終調整を行う予定とのこと。「いつもと違う場所でやるのも楽しみ」と拓真。環境の変化という刺激も、いまの拓真には必要なことかもしれない。

文&写真_本間 暁

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