日本アメリカンフットボール協会(国吉誠会長)は、2019年夏に開催される第6回世界選手権への参加を表明した。9月7日に開催国オーストラリアの開催都市・開催期間の発表があり、その後、国際アメリカンフットボール連盟(IFAF)から日本協会に連絡があった。
日本協会の発表した大会要項によれば、アジアからの参加枠は1となっており、アジアから他に参加意志のある国があれば、予選など何らかの選考のための試合が必要となる。今回の発表をもって自動的にオーストラリアの本大会に出場できるわけではなさそうだ。前回2015年のアメリカ大会は、アジアからは日本と韓国の2カ国が出場したが、日本は2014年4月にアジア地区予選としてフィリピンと対戦して勝って本大会出場を決めている。
IFAFの公式サイトに記載されているアジアのメンバーは、日本と韓国だけだが、実際にはもっと多いと思われる。中国が大学世界選手権に2014年から、U19世界選手権には2016年から参加しており、今回も予選などがあれば参加意思表示をする可能性が強い。
前回大会は、開催国スウェーデンが開催7カ月前の2014年12月に大会の中止を発表した。1カ月後に米国オハイオ州での振り替え開催が決まった際に、当初参加予定だった12カ国から欧州を中心に多くの不参加国が出て最終的に7カ国で開かれた経緯がある。「参加国は変更の可能性がある」としているのはその辺りの経緯を踏まえてのことだ。
日本では報道がほとんど無かったが、IFAFは前回大会後に、組織の中で内紛があった。欧州を中心に、トミー・バイキング元会長(スウェーデン)を支援するドイツ、アイルランド、フランス、クウェート等のグループがパリで独自のIFAF総会(パリ派)を開催、米国の競技統括団体である「USA Football」の排除を表明するなど、分派活動を行った。
今年3月に国際スポーツ仲裁裁判所(CAS)が裁定を下し、米国、カナダ、日本、メキシコ、オーストラリアなどが中心となったIFAFの現体制の正当性が確認されたが、現在でも、欧州で最も競技が盛んなドイツが加盟していないなどの内紛の後遺症がある。欧州各国にとって、前回の米国大会以上の遠隔地となることもあり、参加国についてはまだ流動的だ。
日本協会は「今後、代表チーム監督の選考を経て、日本代表チームが編成されます」としているが、前回の世界選手権以後、日本のフル代表の招集はない。日程上、今季中の招集も不可能だが、過去、4年に1度の世界選手権の中間年に、日本代表が招集されなかったのは1999~2003年の第1~第2回世界選手権(当時の呼称はワールドカップ)の3年間だけだった。
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