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2022-10-14

【ボクシング】寺地拳四朗&吉野修一郎が11・1に向け公開スパーリングで順調ぶりアピール

ともに大いなる自信を語った寺地(左)と吉野

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 来たる11月1日、さいたまスーパーアリーナで、それぞれビッグマッチに臨むWBC世界ライトフライ級王者の寺地拳四朗(30歳=BMB)、ライト級のアジア2冠王者でWBO9位を筆頭に世界4団体でランク入りする吉野修一郎(31歳=三迫)が、本番まで3週間を切った14日、東京・練馬の三迫ジムで練習を公開。寺地はWBA同級スーパー王者の京口紘人(28歳=ワタナベ)との王座統一戦に向け、「レベルの差をしっかり見せて、将来的には4団体獲りたい」、吉野は防衛11度を誇った元東洋太平洋同級王者で、現在はWBC10位に位置する中谷正義(33歳=帝拳)とのWBOアジアパシフィック王座3度目の防衛戦に向けて、「中盤から後半に倒せると思っている」とアピールした。

取材・文_船橋真二郎
写真_山口裕朗

揺るぎない自信持つ寺地は「何にでも対応できる。普通にKOにたどり着く」

 世界戦通算11度の実績を持つWBC王者の自信は揺るぎなかった。ワタナベジムから渡辺均会長、小口忠寛トレーナー、小林尚睦トレーナー、深町信治マネージャーが視察に訪れる中、「普通にやってたら、KOにたどり着くんじゃないかと思う」と堂々のKO宣言だ。今年3月、前王者の矢吹正道(緑)にインファイトを完遂し、3回KOの圧勝でベルトを奪還。従来の左ジャブとステップワークを駆使して距離をコントロールするボクシングに加え、「幅が広がった」ことで、さらに自信を深めたのだろう。「何にでも対応できるように練習してきた。指示があれば、すぐに切り替えられる」と胸を張った。

ホープ小林を得意の左ジャブでコントロール
ホープ小林を得意の左ジャブでコントロール

 2ラウンドの公開スパーリングに抜てきされたのは芦屋大出身のホープ、日本ミニマム級8位の小林豪己(こばやし・ごうき、23歳=真正、4戦全勝3KO)と下の階級だったが、元WBC世界フライ級王者の比嘉大吾(志成)、日本バンタム級王者の堤聖也、日本フライ級5位の飯村樹輝弥(ともに角海老宝石)、日本バンタム級5位の村地翼(駿河男児)など、上の階級の実力者たちを中心にさまざまな相手とスパーリングを重ね、対応力に磨きをかけてきた。9月上旬にはアメリカ・ロサンゼルスでフライ級の世界ランカーとも手合わせしたことも「収穫になった」(加藤健太トレーナー)という。

 パートナー選びは「体が強くて、ガードがブレない、バランスがブレない」京口対策の一環でもあるが、「下の階級の選手では拳四朗の相手が務まらない」のが大きな理由。「正直、自信はあります」と加藤トレーナーも不敵に笑みを浮かべる。

加藤トレーナーの持つミットに、強烈な右を叩き込む
加藤トレーナーの持つミットに、強烈な右を叩き込む

 寺地永・BMBジム会長は戦い方の選択肢が広がったことに自信を示しながら、アメリカとメキシコで勝利した京口の経験が「彼のアドバンテージになる」と語り、「今回は特に統一戦なので、意地と意地のぶつかり合いになる。1ラウンド、1ラウンド、見逃せない瞬間が多々あるような緊張感のある試合になる」と戦いをイメージ。その父を横目に寺地は強気を貫いた。

「序盤からしっかりプレッシャーをかけて、主導権を握りたい。(試合展開の)想像はできている。圧倒的な差を見せたい」


「勝って海外へ」。吉野は長身・中谷との距離のせめぎ合いに自信

長身でジャブの上手い岡田の距離を潰す
長身でジャブの上手い岡田の距離を潰す

 一方、今年4月、スーパーフェザー級の元世界王者・伊藤雅雪(横浜光=引退)を11回負傷判定に下したのに続き、“ライト級頂上対決”を迎える吉野。ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)、テオフィモ・ロペス(アメリカ)、フェリックス・ベルデホ(プエルトリコ)ら、すでに海外のトップボクサーたちと本場アメリカのリングで拳を交えてきた中谷との一戦を「勝ったほうが海外に行ける試合」とあらためて位置づけ、「ここは落とさず、勝ち取りたい」と力を込めた。

 身長182cmと上背があり、リーチもある中谷に対し、吉野は「中途半端な位置だとパンチをもらうので、距離に気をつけたい」とポイントを挙げつつ、「(長い距離は)嫌いではない」ときっぱり。プロ転向時からコンビを組んできた椎野大輝トレーナーも「向こうのほうが距離が長く、最初はロングレンジから打ってくると思うので、吉野の距離とスタイルにどうハメていくか」と同調し、「序盤が大事になる」と強調した。

得意の左フックを椎野トレーナーの持つミットへ。注目は逆の手の位置
得意の左フックを椎野トレーナーの持つミットへ。注目は逆の手の位置

“仮想中谷”として、身長180cm前後のパートナーとスパーリングを重ね、この日は元WBOアジアパシフィック、日本スーパーライト級王者の岡田博喜(角海老宝石)と2ラウンド。1階級上の経験豊富なベテラン相手に激しくやり合いながら、より多くのヒットを奪い、「調子が上がってきた」の言葉を証明してみせた。

 Amazonプライムで配信される『Prime Video Presents Live Boxing 第3弾』のオープニングカードに位置づけられる1戦からも目が離せない。

左から寺地会長、寺地、吉野、椎野トレーナー
左から寺地会長、寺地、吉野、椎野トレーナー

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