12月23日にタイトル初防衛戦を控える村田諒太(帝拳)が20日、帝拳ジムで練習を公開した。ほぼ2時間のジムワークを終えた村田は「だんだんと調子は上がっている」と自信の笑みを見せた。
上写真=リナレス・トレーナーのミットを弾く村田の右パンチ
スパーリングは月曜日、水曜日、金曜日で決まっている。したがってメディアに週1度公開される練習でスパーリングが行われることはない。この日もメインディッシュになったのはカルロス・リナレス・トレーナー相手のミット打ちだ。
通常のミット打ちが5ラウンド、ドラム打ち、棒状のスティックミット打ちが各1ラウンド。この日のテーマがそうだったのか、重心を体の中央にキープしたでパワーパンチを打ち続けた。とくにロブ・ブラント戦の前はリナレス・トレーナーがけしかけるようにしてどんどんテンポアップしていったスティックミットでも、拳でスティック中心線を正確に叩くのが主目的になっている。
「今回はスパーリングの開始が遅れて、調整も遅れがちでしたが、だんだんと調子も上がってきました。これからスタミナをつける意味でもスパーの量は増やしたいですね」
そう語る村田の表情は明るい。今回は合計6人のスパーリングパートナーが用意されたが、能力的にも高いメンバーが多い。とくに18日から練習に参加したミサエル・ロドリゲス(メキシコ)はリオ五輪の銅メダリストでプロでも10連勝不敗。村田とは前日に初めて拳を交えた。
「五輪の金メダリストが銅メダリストに負けるわけにはいかないでしょう」と笑わせた村田は、「上体が柔らかく、積極的に出てくれるので、いいパートナーだと思います」
今回から練習のスケジュールもいくつかの点で変更した。
「これまではどの週にピークをもっていくかで調整してきましたが、今回は各週ごとに1度のピークを作るようにしています」
さらに小さな障壁にこだわらないようにも心掛けている。
「ひとつひとつの課題だけを見ていても、それが戦いの全部につながないと思うんです」
まずはどういうボクシングをするのかを築く。円熟の境地を感じさせるコメントに思えた。
★今回のパートナー
ブランドン・クォールズ(アメリカ)33歳 27戦21勝(10KO)5敗1分
アドリアン・ルナ(メキシコ)29歳 30戦22勝(14KO)7敗1分
ブランドン・ロビンソン(アメリカ)31歳 16戦14勝(9KO)2敗
ビタリ・コピレンコ(ウクライナ)35歳 30戦28勝(16KO)2敗
アイザイア・スティーン(アメリカ)23歳 14戦13勝(10KO)1無効試合
ミサエル・ロドリゲス(メキシコ)25歳 10戦10勝(5KO)
このうち、クォールズとロビンソンはすでに帰国している。

新たにパートナーに加わった五輪銅メダリスト、ロドリゲスと村田
文・写真◎宮崎正博
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