平成国際大学ボクシング部主将からプロに転向した日本ライト級9位、宇津木秀(25歳=ワタナベ)は30日、東京・後楽園ホールで8回戦に出場し、タイ・スーパーライト級3位にランクされるソムポート・シーサ(20歳)を2回2分27秒、3度のダウンを奪った末にKO勝ちを収めた。一戦ごとにスケール感を増す宇津木はこれで無傷の6連勝(5KO)となった。
上写真=宇津木はまず右ストレートで攻めつける
力の差は歴然だった。だから、宇津木も「もっと離れて、相手に触らせないまま戦って、右で倒したかった」。そのために磨いてきたのは右ストレートとアッパーカット。2回にさっそく勝負を決めにかかると、ソムポートがサウスポーにチェンジしながら、意外に食い下がってくる。だから、攻撃の軸にとアッパーカットを選んだ。これがまたポンポンと当たるのだ。ただし、最初にダウンを奪ったのは左フックだ。
左のトリプル。最初の2発が頭部、最後はボディ。その3発目がぐさりと腹にめり込み、タイ人はあっけなく左ひざをキャンバスにつけてしまう。その後は狙いどおりのアッパーカットの連打。ソムポートはさらに2度倒れ、それでも立ち上がってきたが、ダメージは深く、レフェリーがカウントアウトした。
スイッチしてかき回しに来た相手を、まったく問題にしなかった。自身もちらりとスイッチヒッティングを織り込んで、難なく快勝にたどり着いた。「実はサウスポーで戦うのは得意なんです」。余裕のコメントには、さらなる自信も盛り込まれた。
「前回のピッコロ・オリバー戦(3回KO勝ち)から、なんというか、自分の距離がわかるようになって。練習でも、そこに気を使うとすべてがうまくいくんです」
日本ランキング入りも果たし、2020年は上位に進出したい。
「ランカーを相手に1、2戦して、タイトル戦をやりたい」
追いつきたい対象もいる。
「三代(大訓=ワタナベ/東洋太平洋スーパーフェザー級チャンピオン)ですね。同学年で、大学時代からのライバルですから。早く追いついて、追い抜きたい」
宇津木の口はどこまでも滑らかだった。
文◎宮崎正博 写真◎菊田義久
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