アメリカ・カリフォルニア州インディオのファンタジースプリングスカジノで10月24日(日本時間25日)、WBO世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦が行われ、チャンピオンのエルウィン・ソト(メキシコ)が1位の挑戦者エドワルド・ヘノ(フィリピン)を僅差3-0の判定で下し、初防衛に成功した。その前座では、ソトにタイトルを譲った前王者アンヘル・アコスタ(プエルトリコ)が再起している。
上写真=拳四朗、京口のライバル王者ソト(右)は、辛くも初防衛
今年6月、同じ会場でプエルトリコの強打者アコスタからダウンを奪い、最終回にストップして世界王座を奪取したソトの初防衛戦。見事な逆三角形の上半身を持つソトは、得意の右クロス、左ボディブローを強振し、スタートからパワーをアピールする。しかし防御センスに長けたサウスポーのヘノに、なかなかきれいに当たらない。ヘノの右アッパーから左ストレート、細かなコンビネーションに大振りのスキを突かれ、3回には左フックを浴びてダウンを喫してしまった。距離感とボディワークで強打をすりぬけるヘノは、力感はないもののコンスタントなヒットを重ねていく。そんな挑戦者に対し、後半戦、チャンピオンはボディ攻撃を徹底。7回には右ボディアッパーでヘノの動きを鈍らせた。決定打はなかったが、最後まで粘り強く攻め続けたソトが、115対112、115対112、114対113の僅差ながらジャッジの支持を得た。
「もっと手を出すべきだった。でも初回と中盤以降は私が上回っていたと思う」というソトは、17戦16勝(11KO)1敗。「勝ったのは私だ」と不満をあらわにしたヘノは、20戦14勝(5KO)1敗5分。
12月23日にWBCチャンピオン拳四朗(BMB)とIBF王者フェリックス・アルバラード(ニカラグア)が統一戦を予定し、WBAスーパー王座には京口紘人(ワタナベ)がいる108ポンドのトップシーン。辛くもWBO王座を守ったソトは、「誰とでも戦う準備はできている。これからも戦い続けるのみだ」と話した。
前座では、ソト戦からの再起戦となるアンヘル・アコスタが、レイモンド・タブゴン(フィリピン)とのフライ級10回戦で5回1分2秒KO勝ち。空位のWBOインターナショナル・フライ級タイトルを手に入れた。初回からコンビネーションを強振し、打ち終わりを狙われる場面があった元王者だが、5回序盤に左フック一発でタブゴンをノックダウン。続行の意思を示し、打ち合いに応じたフィリピン人に再び左フックを差し込んでフロアに落とした。
アコスタは現在WBOライトフライ級2位にランクされているが、この勝利でフライ級でのランク入りが確定。WBO世界フライ級王座には、世界3階級制覇者・田中恒成(畑中)が君臨している。アコスタにとって田中は、2017年5月、初遠征の日本で初黒星を味わわされた仇敵だ。「フライ級は強豪がいっぱい。強い相手と戦いたい」とリング上で話したアコスタにあらためて
田中に対する意識を問うと、「コウセイ・タナカとぜひ再戦したい。自信はある」と明言した。
戦績は23戦21勝(21KO)2敗。
取材・文_宮田有理子
Text by Yuriko Miyata
Photo by Al Applerose
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