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2022-12-28

【NFL】ブロンコスがハケットHCを解任 パス攻撃が予想外の不振で1年持たず

1シーズン持たずに解任となったブロンコスのハケットHC=photo by Getty Images

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アメリカンフットボールの世界最高峰、米プロフットボール・NFLのデンバー・ブロンコスは、現地12月26日(日本時間12月27日)、ヘッドコーチ(HC)のナサニエル・ハケットを解任した。ブロンコスは、前日の25日、同じ4勝10敗のロサンゼルス・ラムズと対戦し、14-51で屈辱的な大敗を喫していた。

 2試合を残して4勝11敗という成績も問題だったが、強力なパスオフェンスの構築を目指して招いたにもかかわらず、正反対の結果となっているのが響いた。15試合で232得点はNFL最下位。ディフェンスは、51失点のラムズ戦を含めても、失点でNFL7位と健闘していた。

 オフェンスの柱と見込んで超大型トレードで獲得したQBラッセル・ウィルソンが、ラムズ戦では3インターセプト(INT)と大乱調だったのが象徴的だった。

ロジャースのMVP獲得をアシストした「パス戦術の専門家」だったが・・・
ブロンコスのQBウィルソンと、ハケットHC(右)。このような結果になると誰が予想しただろうか=photo by Getty Images


 ハケットは、2021年まで3年間グリンベイ・パッカーズでオフェンスコーディネーター(OC)として活動。QBアーロン・ロジャースがその3シーズンでMVPを2回獲得するのをアシストした実績を持っていた。

 しかし、QBウィルソンは今季プロ入り後最悪のスランプに加え、負傷もあって、パスタッチダウン(TD)は、わずか12本で、INTは9本。ウィルソンと「リーグ最高のパス戦術家」ハケットのコンビで、スーパーボウル制覇を目指したブロンコスだったが、目論見は完全に裏目に出た形となった。

 今季のNFLで、シーズン中のHC解任は、カロライナ・パンサーズのマット・ルール、インディアナポリス・コルツのフランク・ライクに次いで3人目となった。今季就任のハケットは、1シーズン持たずに解雇となった。

 1994年以降のNFLで、1シーズン終了後に解任あるいは辞任したHCは27人いるが、1年目のシーズンの途中で解任されたのは、パケットで3人目。他の2人は2007年のボビー・ペトリ―ノ(ファルコンズ)、2021年のアーバン・マイヤー(ジャガーズ)だった。

 ペトリーノとマイヤーは、カレッジフットボールで実績を残していたが、フットボールとしては別物のNFLは、ほぼ未経験という理由があった。

 しかし、ハケットは、指揮官であるHC経験こそ無かったが、NFLの4チームで延べ14年という豊富なコーチ歴を誇っていた。それだけにこの解任劇は、ブロンコスはシーズン前に予想もしていなかった。

 ブロンコスの暫定HCはシニアアシスタントを務めていた67歳のジェリー・ロスバーグが務める。

1シーズン持たずに解任となったブロンコスのハケットHC(右)=photo by Getty Images

【小座野容斉】

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