close

2022-12-30

【NFL】レイダースがエースQBカーを降格 ブレイディに次ぐ91試合連続先発出場中 

第15週のスティーラーズ戦で、OLBハイスミスにサックされるレイダースQBカー=photo by Getty Images

全ての画像を見る
アメリカンフットボールの世界最高峰、米プロフットボール・NFLは、レギュラーシーズンの最終盤を迎えている。ロサンゼルス・レイダースのヘッドコーチ(HC)ジョシュ・マクダニエルズは現地12月28日(日本時間29日)の記者会見で、次の試合からQBを交代させ、現在のエースQBデレク・カーを降格すると発表した。

 カーは、2014年からチームのエースQBを務めていた。
第15週のスティーラーズ戦で、チームの先頭を切って入場するレイダースQBカー(#4)。自他ともに認めるリーダーだった=photo by Getty Images
 マクダニエルズは、ニューイングランド・ペイトリオッツからトレードで獲得した、古巣での教え子、ジャレット・スティダムを本拠地アレジアント・スタジアムでのサンフランシスコ・49ers戦に先発させると答えた。バックアップQBは今春にドラフト外入団のチェイス・ガーバーズとなる。

 米スポーツ専門局ESPNによると、カーとレイダースは、カーがチームの邪魔にならないようレギュラーシーズンの残りの期間、試合に出場しないことで合意したという。

 カーは、現地28日のチーム練習に参加せず、チームは彼の不在理由を 「負傷ではなく個人的なもの」 としている。

 レイダースの今回の措置は、カーの健康状態を維持し、トレードの可能性を含めた選択の自由をオフシーズンに残しておくためだったという。カーが2023年にレイダースに残留する可能性はまだ検討されているという。

 カーは、1991年3月生まれ、カリフォルニア州出身。兄のデビッドは、テキサンズ創設年にドラフト全体1位指名されたエリートQBだった。カー自身も、フレズノ州立大では3シーズンでパス12731ヤード、113タッチダウン(TD)という成績を残して、レイダースに2巡36位で指名されて入団。ルーキーシーズンからレイダースのエースQBとなった。9シーズン連続でパス3000ヤード以上、直近4シーズンは連続して4000ヤード以上を記録した。

 レイダースのほぼ全てのパス記録を保持するカーは、今春に3年間1億2150万ドルの契約延長にサインしていた。この契約では、スーパーボウルから3日以内にレイダースから放出された場合、サラリーキャップ562万5000ドルのキャップヒットで済むというものだった。

 カーの年俸のうち、来季の3290万ドルと2024年の750万ドルは、彼が負傷した場合でも完全に保証される。

 カーはレイダースで、2017年シーズン第6週から91試合連続で先発出場しており、これは現在続いている記録としては、NFLの全QBの中では、トム・ブレイディに次いで2番目に長い。同一チームでは最長だった。

■NFLQBの連続先発出場(現在続いている記録)

・トム・ブレイディ(ペイトリオッツ・バッカニアーズ) 108
・デレク・カー(レイダース) 91
・ジョシュ・アレン(ビルズ) 70
・ジャスティン・ハーバート(チャージャーズ) 47

 カーのフレズノ州立大学時代のチームメイトで、レイダースがグリーンベイ・パッカーズとの大型トレードで獲得したWRデバンテ・アダムスは、28日の午前中にカーと言葉を交わしたというが、内容については明かさなかった。
「カーは私の親友の1人で、そもそも私がここに来た理由だ。彼がいなかったら私は今ここにいなかった。なので、私が彼をどう思っているかは誰もが知っていると思う」

「とはいえ、物事にはプロセスがある。今、明らかに私はチームメートをサポートしている。あらゆることを考慮して可能な限り最善の方法で今シーズンを終えなければならない」
第15週のスティーラーズ戦で、OLBハイスミスにサックされるレイダースQBカー=photo by Getty Images
     ◇             ◇

 リッチ・ビサッチャ暫定HCの指揮下、2021年には10勝7敗でプレーオフに進出したレイダースは、選手たちの多くから支持されていたにもかかわらずビサッチャを選ばずに、ペイトリオッツのオフェンスコーディネーターだったマクダニエルズをHCに就任させた。

 マクダニエルズは、元ペイトリオッツの選手人事担当部長だったデイブ・ジーグラーをGMとして呼んだ。ジーグラーは、マクダニエルズのジョン・キャロル大時代のチームメートで後輩。2010年にマクダニエルズの引きでブロンコスのフロント入りし、2013年にペイトリオッツに入っていた。

 マクダニエルズは、さらに、ジャイアンツのディフェンスコーディネーター(DC)だったパトリック・グラハムをDCとして採用。グラハムもペイトリオッツで7年間コーチをしていた。

 “お友達組閣"の結果、今季、レイダースは6勝9敗と苦戦している。最大で17点以上リードしながら逆転された3試合も含まれている。

 レイダースの残り2試合は、49ersとカンザスシティ・チーフス。数字上は、まだプレーオフ進出の可能性を残している。
ペイトリオッツ戦で、劇的な決勝TDを決めたDEジョーンズに抱き着いて喜ぶQBカー=photo by Getty Images

【小座野容斉】

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事