close

2019-07-23

【ボクシング】山中慎介バンタム級トーナメント開幕 南出、中嶋、山下、堤が準決勝に進出

優勝賞金100万円を懸けた山中慎介 presents GOD’S LEFTバンタム級トーナメントが23日、東京・後楽園ホールで開幕。予選3試合が各6回戦で行われ、シード選手を加えた4選手が11月9日の準決勝に駒を進めた。「神の左」でバンタム級に一時代を築いた大会アンバサダーの山中さんは、トーナメントならではの白熱した戦いに、いっそうの盛り上がりを期待した。

写真上=山中慎介さんをセンターに、勢ぞろいした7人のトーナメント出場者たち

中嶋 一輝(大橋)
【TKO1回2分2秒】
渡辺 健一(ドリーム)

中嶋(右)の右フックが渡辺を捉える

 サウスポーの中嶋が最初に放った左ショートストレートは、渡辺のガード上を捉えたのだが、キレも威力も十分に伝わったのだろう。渡辺の意識は “上”へと集中した。中嶋は左から右フックを返し、さらに左ボディアッパーカット。これがみぞおちにグサリと刺さり、渡辺は大きなダメージを被った。反撃して、なんとか粘りたい渡辺だったが、左右フックの交錯の中、中嶋の右フックがカウンターに。前のめりに倒れた渡辺に、レフェリーは躊躇なくストップを呼びかけた。
 7戦7勝(6KO)。会心の勝利を果たした中嶋だが、「初戦に勝っただけなので」と浮かれた表情はなかった。

山下 賢哉(JB SPORTS)
【KO2回2分10秒】
相川 学己(三迫)

相川(左)を攻める山下

 13勝10KO(5敗)の山下が、ものの見事なワンパンチKO勝ちを収めた。ただし、立ち上がりは身長で上回る相川がポンポンと打ち込む右に後手に回っていた。「(相川は)典型的なタッチボクシングで、初回の終盤にはそのうちいいのを当てられると思いました」という山下は2回、やはり相手の手数にさらされながらも、左フックを一閃。横ざまに倒れこんだ相川は立ち上がったものの足元は定まらず、そのままカウントアウトされた。
 山下は準決勝で、シードの堤聖也(ワタナベ)と対戦する。

南出  仁(セレス)
【判定3-0=58対56×2、58対57】
荒木  哲(斉藤)

南出(右)の右フックが荒木にヒット

 サウスポーの南出が速い踏み込みからの左で先制も、3回に接近戦で右目上をカット。最終回には左ボディで荒木にヒザを着かせたが、バッティングの裁定。波乱含みの展開だったが、南出がディフェンスの名手・荒木を3ー0の判定で突破した。「倒せなくて悔しい」(南出)、「最初から攻めたかった」(荒木)と、ともに反省したが、ラスト15秒でホールを沸かせた白熱の打ち合いは「気持ちよかった」と口を揃えた。
 エントリーした7人中、唯一のノーランカーながら優勝候補に挙げられる南出は4戦全勝3KO。準決勝では高校、大学を通じてアマチュアで1勝2敗だった中嶋と対戦する。

写真◎菊田義久

おすすめ記事

ボクシング・マガジン 2019年8月号

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事