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2023-01-30

船木誠勝が様変わりしたスタイルへの葛藤を告白「お笑いプロレスを猪木さんに見られたらどうしよう」それぞれの闘魂伝こぼれ話(3)【週刊プロレス】

1987年の船木誠勝(当時は船木優治)

アントニオ猪木さん追悼企画として週刊プロレスで連載されている「それぞれの闘魂伝」。1月25日発売号(2023年2月8日号/No.2227)では船木誠勝が思い出を語っているが、誌面の都合で掲載し切れなかった興味深いこぼれ話を紹介。今回が最終回。

2009年にプロレスに復帰して、今も現役を続ける船木誠勝。アントニオ猪木さんの下にいたころと、プロレスのスタイルも大きく様変わりした。

「一番難しいのは試合ですね。猪木さんってお笑いプロレスはしなかった。ただ自分たちは今、それも含めたプロレス界の中にいるわけで、お笑いをするプロレスラーとどこまで合わせたらいいのか。それは答えが出ませんね。これでいいんだろうかって。ただ、それをやらないと先に進まない状況でもあるんで。今はあれはイヤ、誰とはイヤとは言ってられない時代なんで。そこだけは、猪木さんに見られたらどうしようっていうのがあります。猪木さんは絶対(お笑いプロレスを)やらないでしょうけど。でも自分は、それをやっていかないと生きていけない。猪木さんも(ドン)荒川さんの試合は見てましたけど、そこに入ることはなかったんで」

そんな猪木さんは「遠く離れてしまっていても、自分の上に必ずいる存在でした」。亡くなったとのニュースを聞いて「しっかりしなきゃなと思いました」と語る。結果、船木は最後まで猪木さんにUWF移籍を認めてくれたお詫びと感謝が言い出せないでいた。

「控室でたまたま2人っきりになったとしたら言ってたでしょうけど、猪木さんの周りには誰かしらいましたからそういう機会もなくて、結局、言えずじまいでしたね。誌面で伝えることになりましたけど、それも猪木さんがそう仕向けたんじゃないかって思います」

最後にこんな言葉も語っていた。

「猪木さんの血は絶対に自分に入ってると思います。15歳という一番多感な年頃から4年間、あの人がトップにいたわけですから。20歳で飛び出してそのまま。やり合ったこともないんで、いまだに上にいる存在。周りの人間みんな『会長』って言いますけど、自分からすればいまだに『社長』のまま。最後に会った時も元気な社長でしたから、公式の動画に映っていた姿はいまからずっと後のものという感覚でした。葬儀に参列してお顔を拝見しましたけど、亡くなられてから2週間ほどたってましたんで、ろう人形みたいな感じで。遺体だとは思えませんでしたね」

そして猪木さんをよく知る方からこんなエピソードも明かされた。

「猪木さんがまだ若手だった頃の闘魂三銃士(武藤敬司、蝶野正洋、橋本真也)と船木選手を連れてあいさつに来たことがあるんです。その時に船木さんのことを『こいつはね、ムフフ』と意味ありげな笑みを浮かべながら紹介されたんです」

まだ14歳(面接当時)で入門を志願、猪木さん自身が力道山にそうされたように上半身裸になって『背中を見せてみろ』と言ったこと、スパーリングで抱きかかえるようにのしかかりながらアゴを押しつけてきたこと(船木自身は『親ライオンが子ライオンを軽く噛んでいる感じ』と表現)などに加え、若手時代に“闘魂ビンタ”を注入され、UWF移籍時には「道」の詩を贈られた船木。数々のエピソードを並べると、猪木さん自身、船木には特別な思いを抱いていたのではなかったか。

その意味で船木は最年少で猪木さんから直接“闘魂”を伝授されたレスラーだったといえる。

(この項、終わり)

橋爪哲也

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週刊プロレスNo.2227 (2023年2月8日号/1月25日発売) | 週刊プロレス powered by BASE

今週号の表紙は横浜アリーナでついにファイナルをむかえたグレート・ムタです。白使を流血葬で最後の最後までムタらしさを貫いたラストマッチを巻頭カラーから詳報。そのほかGHC王者が揃い踏みしたセミなど注目試合中心にリポート。新日本の横浜アリーナは昨年に続いてNOAHとの全面対抗戦。ロス・インゴvs金剛は昨年に続いてロス・インゴが勝利。大将戦に勝利した内藤哲也を解説を務めていた武藤敬司が引退試合の相手に指名して正式決定。翌日の名古屋大会で内藤に直撃インタビューで武藤戦の思いを聞いています。そのほか大荒れオカダvs清宮のタッグ対決、鷹木vsオーカーンのKOPW戦など詳報。週刊プロレス読者とモバイルユーザーの投票で決まる「プロレスグランプリ2022」の結果を発表。受賞者だけでなく各賞の上位10名まで発表しているのでランキングにも注目。また毎年恒例の「好きなプロレスラー」は50位まで発表。スターダムは高田馬場2連戦。ワールド王者・ジュリアが鈴季すずとの初防衛戦を前に試練の10人掛けにチャレンジした試合、若手主体興行「NEW BLOOD」で始まったタッグ王座決定トーナメントの模様も詳報。そのほか全日本・後楽園、DDT横浜、GLEAT新宿、ドラゲー神戸、天龍プロ新木場、東京女子・新宿、マーベラス新木場など掲載。【注意】発送後の返品・返金は原則不可とさせていただきます。送料は無料ですが、第三種郵便での発送となります。通常3~5日でのお届けとなります。また、事前に購入されても発売日にお届けすることは、お約束できません。ご了承ください。

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