ロンドン五輪バンタム級銅メダリストで、東洋太平洋フェザー級チャンピオンの清水聡(33歳=大橋)の次戦が23日、大橋ジムで発表された。7月12日、大阪・エディオンアリーナ大阪第1競技場で1階級上げ、WBOアジアパシフィックのスーパーフェザー級チャンピオン、ジョー・ノイナイ(23歳=フィリピン)に挑戦する。
上写真=“ダイヤモンド・レフト”でKO勝ちだ! サウスポー対決に自信満々の清水
この日のメインイベントはWBA世界ミドル級タイトルマッチ。村田諒太(33歳=帝拳)が、ロブ・ブラント(28歳=アメリカ)相手にタイトル奪回をかける戦いだ、ロンドン五輪のメダリストである村田と清水が、プロのリングで共演するのは2年7ヵ月ぶり2度目となる。また、WBC世界ライトフライ級王者・拳四朗(27 歳=BMB)のV6戦(vs.1位ジョナサン・タコニン=32歳、フィリピン)も同時開催される豪華興行となる。
「スーパーフェザー級への転向というわけではなく、このクラスでどれだけやれるのか、ひとつのテストの試合になります」と大橋秀行会長はアジアエリア・タイトル2階級制覇の狙いを語る。清水は新しいウェイトにも一切不安を感じていないという。
「その分、よく練習ができて、よく食べられると思っています。アマチュア時代は60キロ級(ライト級)でも試合をしていて、むしろ、動きは良かったですね」
4月に大阪で行われた王座決定戦で、坂を左で3度倒し新チャンピオンとなったノイナイ。『ジョー・ミサコ』のリングネームで戦ったこともあるサウスポーだ 写真/早浪章弘
ノイナイは4月に坂晃典(仲里)を痛烈TKOで破ってこのタイトルを手にしたばかり。17勝6KO(2敗1分)とKO率はさほどではないが、『ジョー・ブレーカー(顎の破壊屋)』という異名を取るサウスポーの強打者だ。スーパーフェザー級に定着して2年になる。決してやさしい相手ではない。
「(ノイナイとは)かみ合わせ的にはいいと思うんですよね。とにかくパンチをもらわないこと。それからダイヤモンドを当てて見せます」
プロ入り後の8連続KO勝利を生み出したサウスポースタイルからの左。この試合でも通称ダイヤモンドレフト炸裂を予言した。
「尚弥の勝利でジムも世間もボクシングが盛り上がっている。僕も勢いに乗っていきたい。そして試合当日も僕が勝って、村田にプレッシャーをかけたいですね」
仲の良い村田と、7月の共演について話したという清水。「『俺のバーターだな』と言われたので、おまえがバーターじゃ!と言い返したい」とテレビカメラを指さして笑わせた(右は大橋会長、左は松本好二トレーナー)
陣営はこの試合を世界前哨戦と位置づけており、求められるのはKOでも判定でも、世界にアピールできる圧倒的な勝利。そのことは清水本人がもっとも分かっているはずだ。
また、この日早朝、IOC(国際オリンピック委員会)の理事会で、危ぶまれていた東京五輪のボクシング競技の開催が決定的になったことについて、後輩たちに思いを寄せている。
「僕の今があるのはオリンピックがあったから。オリンピックに参加してみて、どれだけすごいものかも分かっています。後輩たちにもぜひ味わってほしい」
文_宮崎正博
写真_本間 暁
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