5月4日(木・祝)「ABEMA presents MAJESTIC 2023」東京・両国国技館大会を前に、今年2月21日に引退した武藤敬司さんにこの大会についての話を聞いた。GHCヘビー級王座をかけて闘う王者のジェイク・リーと挑戦者の丸藤正道や潮崎豪復帰戦など、NOAHにとって非常に重要なカードがラインアップされた今大会について、プロレスリングマスターは何を語るのか。――今、日々をどのように過ごされているのでしょうか?
武藤「意外と慌ただしく生活しているんですよ。今日だってこうやって稼働しているしね。プラスいまだにね、1日のルーティン? 練習もしているし、そう変わっていないですよ、現役時代と。だからそれほど暇にしていないというか暇じゃないというか。忙しくしていますね。
やっぱり長年培ってきた筋肉とかさ、オレ人間がケチだから。これ貯金と一緒じゃん? ただでさえ年取ってくると筋肉も目減りしていくのにさ、(自分は)人間がケチだからせっかく培ってきたものを失いたくない。だから一生懸命やってる。あと食ったり酒飲んだりすることが好きでさ。やっぱり練習しないとお酒もきっと美味くないし。だからルーティンは一緒ですね」
――引退して時間が経ちましたが、その後、体はまだ痛むのでしょうか?
武藤「痛いよ。今日も足の練習をしてちょっと痛いんだけど、やらなくてもきっと痛ぇんだよ。やらない方が悪影響になる、今後。股関節もね、きっと。やっぱり守るのは筋肉だからさ」
――ありがとうございます。では本題ですが、5月4日の両国国技館大会、メインイベントはGHCヘビー級選手権【王者】ジェイク・リーvs【挑戦者】丸藤正道になります。丸藤選手が挑戦者に名乗り上げた際に、ABEMAの放送のコメントでは辛らつなコメントも目立ちました。そういった部分での見解をお聞かせください。
武藤「43歳の丸藤って、オレ58歳の時にチャンピオンになってるじゃん? GHCの。58歳でチャンピオンになって43歳って、まだオレからしてみたら“鼻たれ”じゃん。オレ、たぶん42~43歳で三冠のチャンピオンなってるよ。で、全日本プロレスに在籍しながら新日本プロレスのIWGPを取りに行ったりしているからね。やっぱり歳は言い訳には丸ちゃんもしてほしくないよな。
きっと動き自体は若いころと違ったりするよ。思うように動かなかったり。それを補ういろんな方法論をキャリアで埋めていく。ここは!という時の丸藤は一気にババーンって“攻める時”をつかむのも上手いしさ。全然いけると思いますね。今ここで彼(丸藤正道)あたりが頑張らないと、いい意味で若いヤツらも育っていかないというか、やっぱり強い壁であってほしいもんね」
――武藤さんはジェイク・リー選手とも縁が深い関係にあるかと思います。
武藤「そうですね。オレが重量挙げをしている彼をスカウトしに行ったんだから。ジェイク・リーの(重量挙げの)大会自体も応援に行ったことあるんだよ。ガタイもデカかったしね。今以上にデカかったんだよ。今は動きやすそうな体をしているけど、どちらかと言うとゴツイ体でね、昔は。
ただ、どういうわけか全日本プロレス辞めちゃってね。それからまた全日本プロレスに戻ってきて、その時もうオレはいなくて。どういう苦労をしたのか、今どんなレスラーになったのかっていうのはオレあんまり追いきれてないからさ。
今はそんなに知らないんだけど、清宮海斗に勝って中嶋勝彦に勝って、“実力が本物になってきているんだな”とは思ったりしています。若干(NOAHで)被っているんだけどさ、オレが引退するまで。ただ自分のことが必死であんまり他に目もくれる余裕がなかったからね。ここであらためて、もう引退したことだし試合を楽しみたいね」
――ありがとうございます。では両国大会で他に気になる対戦カードなどはありますか?
武藤「やっぱり潮崎と清宮とね、稲村(愛輝)、勝彦、征矢(征矢)、拳王の試合とか興味ありますね。稲村一緒に行ったじゃん、アメリカへさ。稲村だってNOAHのリングじゃパワーファイターで売っているけどさ、WWEのあの空間にいたら全然どこにいるか見えないよ、小っちゃくて。
だから今のままじゃだめだよな。絶対プラスアルファ。変な話、パワーファイターじゃアメリカ行ったら通用しねぇじゃん。だからプラスアルファ何が見せられるのか。何を精進していかなきゃいけないのか、というのもこれからの彼の課題であってね。
あと清宮もね、オカダに負けてベルトも落として。みんな誰もがずっと上昇してはいられないんだから、上昇ばっかりはね。だけどオレから見て清宮なんか全然伸びしろあるからさ。全然ある、全然あるよ。まだ若いし、たぶん負けた方がその伸びしろって埋まっていくからね、きっと」
――今回は潮崎選手の復帰戦となりますが、若い2人に目がいくということでしょうか?
武藤「そうっすね。何となく、NOAHに在籍してから接点が生まれてきているからね。もちろん潮崎も、闘うことが多かったけど、まぁこの空間(欠場期間)があるわけだから。休場していてどう変わったのか。どうなってしまっているのかも興味あります」
――この日の大会には女子のカードもあります。
武藤「うーん、女子を語る…。次の日曜日、オレ、フワちゃんのことを語りに行かなきゃいけねぇんだよ(笑)」
――ですが、それこそNOAHの大会の対戦カードがバリエーションに富んできた、といった感じがします。
武藤「NOAH自体も挑戦しているってことですよ。いろんなものにね。今の清宮じゃないけど、失敗を恐れてばっかりいられないからね」
――6月9日には「ALL TOGETHER」も開催されます。
武藤「その題名のごとく見ている人を本当に元気になってもらえるような興行をしてほしいですよね。プロレスの文化の交流じゃないけども、たまにそうやっていろんなもの見る、交わるっていうのはレスラー同士もいいことかもしれないもんね。
技術の交流なのか何なのかわかんないけど。たぶんこれだけの団体でこれだけのレスラーでやったら盛り上がるでしょ、普通に。あとプロレスっていうのはやっぱりプロレスが持っている潜在能力でもうね、こうやって元気にさせるということは得意の分野っていうかさ。と、オレは思っていますよ。自分が現役の時はそういうつもりでやっていましたので」
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