※上写真=立ち上がりから加藤が上下攻撃と手数の多さで西田をコントロールした
写真_小河原友信
7日、東京・後楽園ホールで行われた『チャンピオンカーニバル挑戦者決定戦 ミドル級8回戦』は。日本ミドル級2位の加藤収二(中野サイトウ)が、前王者で現同級1位の西田光(川崎新田)を序盤から上下に散らす攻撃とボディワーク主体の防御を駆使し、手数の多さでポイントを重ねた。
なかなかエンジンのかからない西田は、左ボディブローを徐々に叩きつけていき、得意の前進力も少しずつ兆しを見せていった。5回、加藤がサイドへ動こうとしたところでバランスを崩し、そこに西田の右がヒットして、ノーダメージの限りなくスリップに近いノックダウン。
しかし、軽いながらも圧倒的な手数とヒット数で上回った加藤が、強烈な左ボディを決めるものの、被弾があまりに多く、後が続かない西田を振り切った。
判定はジャッジ三者とも76対75の1ポイント差で、2-1勝利を加藤がものにした。
これで、期日未定ながら、3日に初防衛に成功した日本同級王者・竹迫司登(ワールドスポーツ)への挑戦が決定。リング上に上がった竹迫とツーショットに収まった。
竹迫が「根性ある試合を見せられた。僕もしっかり準備して、万全で臨みます」と言えば、加藤は「チャンピオンは強い。でも、下から上がってきた勢いで勝ちたい」と宣言した。
4日に東日本フライ級新人王となった同僚・荒川竜平から、「勝利を加藤さんにつなぎます」とエールを送られていた加藤は、プレッシャーに感じるどころか、「俄然やる気になりました!」と興奮気味。そして今度は12月23日(日)に全日本新人王決勝に臨む荒川へ、「荒川さんに今度は僕がつなぎました!」と“勝利の襷返し”。このリレーをどんどん続けていく気構えだ。
セミファイナルには、元アマチュア高校4冠の高橋拓磨(ワールドスポーツ)がスーパーライト級6回戦に登場。プロ2戦目は、フィリピン同級ランカーのサウスポー、ジョーフェア・モンタノの妙なタイミングにやや戸惑い、「タイミングを計るために打たせていたら、スキを突かれ」(高橋)、2回に右フックを痛打。ヒザを揺らし、大きくよろめいたところに追撃の左から右フックを食らってダウンを喫してしまった。
ダメージ濃厚の、非常に危ういシーンだったが、立ち上がるやいなや強烈な右カウンターを逆に炸裂させてモンタナを倒した。
モンタナは辛くも立ち上がったものの、大きくフラついて、2回42秒レフェリーストップ。
ヒヤヒヤの逆転勝利を飾った高橋に、場内は大興奮。日本の重量級ではめずらしく、ステップで相手のブローをかわせる俊敏さがあるだけに、そこを生かしたボクシングをできれば、どんどん上へ上がっていける素材だ。
文_本間 暁
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