週刊プロレスの一部内容を発売1日前に紹介します。
週刊プロレス増刊「テリー・ファンク追悼号」（9月30日号増刊／No.2264）が9月15日（金）発売。定価890円（税込）。
掲載内容は…荒馬史1965→2023／天龍源一郎、小橋建太、大仁田厚、グレート小鹿、渕正信らの証言／馬場＆猪木やブッチャー＆シークとの闘いを振り返る／荒馬トリビア／技辞典、ほか。
追悼コラム「マイ・テリー、私の太陽」（週刊プロレス前編集長・佐藤正行）「テリーが行った、テリーが行った、テリーが行った…ナックルパンチ！ もう一発、ストレート！ やりますねえ、山田さん」
「これがねえ、テキサスブロンコの魂！」
日本テレビ系『全日本プロレス中継』の解説者、山田隆さんがそう言った瞬間、実況の倉持隆夫アナウンサーがリフレインした。
「テキサスブロンコの魂！」――。
1977年12月15日、東京・蔵前国技館。世界オープンタッグ選手権の最終リーグ戦だった。
アブドーラ・ザ・ブッチャーのフォーク攻撃によってテリー・ファンクは右腕をズタズタに切り裂かれた。日本プロレス史上例を見ない凄惨なシーンに、館内にはヤジと怒号が飛び交い、リングには物が投げ込まれた。鮮血が白い右腕を幾筋も伝ったしかしテリーは負けなかった。不屈の闘志で立ち上がってきた。右腕に応急処置を施すとカムバック。兄のドリーを2人がかりで痛めつける悪のコンビの背後に迫る。ブッチャーのギザギザの額めがけてパンチを叩き込んだ。ザ・シークにも一撃。冒頭の実況がこれを伝えた。
この一戦をきっかけに、テリー人気は大爆発した。日本全国、どこへ行ってもテリー、テリーの大コール。会場にはお揃いのコスチュームを着て手にはポンポンを持ってコールを送る女性ファンの親衛隊も現れた。
テリーはプロレスファンの太陽だった。
入場花道に押し寄せたファンにもみくちゃにされた。リングを降りても次々に差し出される握手の手にサイン色紙。満身創痍の肉体を背負いながら連日連夜の闘いが続く中、それどころではない時もあっただろう。にもかかわらずテリーは、嫌な顔ひとつ見せず花道のファンの海へと飛び込んでいった。色紙にペンを走らせ、一緒に記念写真に収まった。
太陽とは、どんな人間をも平等に照らす。テリーはその優しい笑顔でファンをあまねく包み込んだのだ。
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詳細は9月15日（水）発売の週プロ増刊号誌面にて。週刊プロレスmobile内「週プロ早版」ではその他の掲載コンテンツも紹介しています。
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